最新記事

ヘルス

ペットボトル入りミネラルウォーターの9割にプラスチック粒子が

MICROPLASTICS AND BOTTLED WATER

2018年8月28日(火)16時00分
アリストス・ジョージャウ

プラスチック汚染は海だけではなかった TURK_STOCK_PHOTOGRAPHER/ISTOCKPHOTO

<プラスチック汚染は海だけではなかった――主要な11の国際ブランドのペットボトル入り飲料水93%からプラスチック粒子が検出>

市販のペットボトル入り飲料水は汚染されていないから安心して飲める――。そんな消費者の信頼を裏切るような研究結果が報告された。目に見えないプラスチック粒子が混入していて、水と一緒に飲み込んでいる恐れがあるという。

ニューヨーク州立大学フリードニア校の研究チームは報道NPOのオーブ・ディアから委託され、11の主要な国際ブランドのペットボトル入り飲料水259本を検査。その結果、93 %にポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックが混入していることが分かった。

汚染物質はマイクロプラスチックと呼ばれる微小な粒子で、発生源は服や化粧品、包装材、プラスチック製品の劣化、製造工程などさまざまだ。研究チームは「プラスチックの生産増加に伴って、プラスチックによる環境汚染も増加している。特に海洋汚染が深刻だ」と指摘。「だが最近は淡水湖、内海、河川、湿地、それにプランクトンからクジラまでほぼ全ての生物でも、プラスチック汚染が見つかっている」と言う。

混入したプラスチック粒子の数はボトル1本につきゼロから1万個超まで、ばらつきが大きかった。世界平均では1リットル当たり325個。その95%が6.5~100ミクロンだが、もっと大きいものもある。ちなみに100ミクロンは髪の毛の太さくらいだ。

「1リットル当たりの混入数が非常に多いものもあれば、ごく少ないものもあった」と報告書要旨をまとめたダン・モリソンは本誌に語る。「そのことは、数そのものと同じくらい注目すべき結果だった。ケース買いした場合でも粒子の数が非常に多いボトルもあれば、非常に少ないボトルもあった」

マイクロプラスチックの検出にはナイルレッド法が用いられた。プラスチック表面に付着するナイルレッドという蛍光性の染色試薬を水のサンプルに加え、青い光を照射。それをオレンジ色のゴーグルを装着して顕微鏡で見ると、プラスチック粒子は明るく輝いて見える。

地理的多様性を確保するため、検査用のサンプルはアメリカ、ブラジル、中国、インドネシア、インド、ケニア、レバノン、メキシコ、タイの5大陸・9カ国から集めたという。

プラスチック粒子の正確な発生源は不明だが、研究結果を見る限り、少なくとも製造工程にも原因があるようだ。「100ミクロンを超える粒子の50%以上がポリプロピレン。ほとんどのボトルのふたの原料として使われているものだ」とモリソンは言う。

しかし、水源から混入した粒子もあると、ナイルレッド法の先駆者の1人である英イースト・アングリア大学のアンドルー・メイズ上級講師(化学)は言う。一部のブランドは、ろ過していない水道水をボトル詰めしていたのかもしれない。

ニュース速報

ビジネス

新型肺炎で米金融緩和観測高まる、7月末までに3回利

ワールド

イスラエル、イタリアからの帰国男性が新型ウイルスに

ワールド

新型肺炎、仏でも感染拡大「始まりつつある」=マクロ

ビジネス

米GDP改定値、2.1%増と変わらず 19年10─

MAGAZINE

特集:AI時代の英語学習

2020-3・ 3号(2/26発売)

自動翻訳はどこまで実用的か? AI翻訳・通訳を使いこなす英語力とは

人気ランキング

  • 1

    遂に「日本売り」を招いた新型肺炎危機──危機を作り出したのはウイルスでも政府でもなくメディアと「専門家」

  • 2

    「送料無料」でも楽天はアマゾンに勝てない あえて三木谷氏にダメ出しする

  • 3

    米軍を襲ったイラン謎の衝撃波、解明には数年かかる

  • 4

    クルーズ船のフィリピン人80人に陽性反応 約400人は…

  • 5

    すでにTOEIC960点越え、日本の第一人者に「国産」機…

  • 6

    徹底したウイルス対策実施のシンガポール 他国が真…

  • 7

    感染者2200万人・死者1万人以上 アメリカ、爆発的「イ…

  • 8

    新型コロナウイルスはコウモリ由来? だとしても、…

  • 9

    新型コロナウイルス最大の脅威は中国政府の隠蔽工作

  • 10

    新型コロナウイルスを媒介したかもしれない「センザ…

  • 1

    「部外者」には分かりにくい、日本の見えないマナー違反

  • 2

    遂に「日本売り」を招いた新型肺炎危機──危機を作り出したのはウイルスでも政府でもなくメディアと「専門家」

  • 3

    マスク姿のアジア人女性がニューヨークで暴行受ける

  • 4

    文在寅を見限った金正恩......「新型コロナ」でも問…

  • 5

    感染者2200万人・死者1万人以上 アメリカ、爆発的「イ…

  • 6

    new-style(新型)coronavirus, stay reki(渡航歴)…

  • 7

    国民の命は二の次か? 武漢パンデミックを後追いす…

  • 8

    アメリカから帰国した私が日本の大手航空会社の新型…

  • 9

    中国人女性と日本人の初老男性はホテルの客室階に消…

  • 10

    クルーズ船対応に見る日本の組織の問題点──権限とス…

  • 1

    「歯肉から毛が生えた」という女性の症例が世界で初めて報告される

  • 2

    一党支配揺るがすか? 「武漢市長の会見」に中国庶民の怒り沸騰

  • 3

    ヒヒにさらわれ子どもにされた子ライオンの悲劇

  • 4

    マスク姿のアジア人女性がニューヨークで暴行受ける

  • 5

    新型コロナウイルスはコウモリ由来? だとしても、…

  • 6

    夜間に発電できる「反ソーラーパネル」が考案される

  • 7

    「武漢はこの世の終末」 チャーター機乗れなかった米…

  • 8

    「部外者」には分かりにくい、日本の見えないマナー…

  • 9

    BTSと共演した韓国人気子役がYouTubeで炎上 虐待さ…

  • 10

    「拷問死したアメリカ人学生」がはばむ文在寅の五輪…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2020年2月
  • 2020年1月
  • 2019年12月
  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月