最新記事

多文化共生

過半数が中国人の団地も! 変貌すさまじい「西川口チャイナタウン」は多文化共生を探る

2018年8月23日(木)21時20分
舛友 雄大(ジャーナリスト) ※東洋経済オンラインから転載

芝園団地の全景。約4500人の住民に占める中国人の比率は50%を超えている(筆者撮影)

東京から荒川を隔てた埼玉県南部に「西川口チャイナタウン」と呼ばれる一帯がある。JR蕨(わらび)駅からの徒歩圏内に位置する芝園団地に一歩足を踏み入れると、すれ違う人のほとんどが中国人だ。

隣のJR西川口駅周辺では、本場の味が楽しめる中国料理店が雨後の筍のように誕生している。ここは中国なのだろうかと錯覚してしまうほどの生活感だ。この地域で根を張る中国人はいったいどこからやってきて、どこへ向かおうとしているのだろうか。現地を取材してみた。

芝園団地の中国人比率は50%

2013年に芝園団地に住み始めた王琳さん(39歳、本人の希望により仮名)の顔には日本人女性と見紛うような白いファンデーションと真っ赤な口紅が浮かんでいた。話してみると日本語もほぼ完璧。それもそのはず、彼女が留学目的で東北部・遼寧省から来日してきたのはもう17年前のことだという。

この団地で暮らしている日本人について聞いてみると、「日本人の影はないですよ。老人ホームみたいに(アパートの)部屋から出てこない」と答えた。約4500人が住むこの団地の中国人比率は50%を超えており、日本人住民は脇役となりつつあるのだ。

newsweek_20180823_212529_02.jpg

芝園団地商店会では、アジア系のレストランや商店が元々の地元店に取って代わっている(筆者撮影)


芝園団地に住む中国人居住者の職業で目立つのはIT企業勤務。30代以上の中年層が家庭を築いているパターンが多いという。

その一方で、1978年に完成した当時に入居した日本人住民らは年老いて、1人暮らしをしているケースが少なくない。1990年後半の「都心回帰」以降、中国人をはじめとする外国人が次々と空き部屋を埋めていった。団地内にある十数件の店舗もアジア系のレストランや商店が元々の地元店に取って代わっていった。あたかもオセロゲームのように。

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

訂正-米FRB、社債買入制度通じた27日時点のET

ワールド

アングル:トランプ氏6人の側近、対中強硬へ足並み 

ワールド

米の香港優遇措置撤廃、「無謀で恣意的」と中国共産党

ビジネス

ルフトハンザ救済案、ドイツ政府と欧州委が暫定合意=

MAGAZINE

特集:コロナ不況に勝つ最新ミクロ経済学

2020-6・ 2号(5/26発売)

意思決定の深層心理から人間の経済行動を読み解く── コロナ不況を生き残るため最新の経済学を活用せよ

人気ランキング

  • 1

    ロンドンより東京の方が、新型コロナ拡大の条件は揃っているはずだった

  • 2

    韓国、アイドルファンも抗議デモ 愛すればこそ、裏切られた怒りは激烈

  • 3

    ミネアポリスの抗議デモが暴動に......略奪から店舗を守ろうと武装市民が警護

  • 4

    ギター人気復活を導く「スーパークール」な和製ギター

  • 5

    「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がア…

  • 6

    【大江千里コラム】だから僕はポップスを手放した

  • 7

    ブラジルのコロナ無策は高齢者減らしのため?

  • 8

    ブラジル、新型コロナ感染爆発 1日で過去最多2万641…

  • 9

    「中国、台湾との再統一に向け軍事手段も必要」人民解…

  • 10

    デーブが語る、『テラハ』木村花さんの死は何が問題…

  • 1

    東京都、新型コロナウイルス新規感染14人に急増 緊急事態宣言解除の目安、3項目中2項目が基準下回る

  • 2

    「イギリスが香港のために立ち上がらないことこそ危機だ」パッテン元総督

  • 3

    過激演出で話題のドラマ、子役2人が問題行動で炎上 背景には韓国の国民性も?

  • 4

    新型コロナの死亡率はなぜか人種により異なっている

  • 5

    「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がア…

  • 6

    ギター人気復活を導く「スーパークール」な和製ギター

  • 7

    北朝鮮の民間経済を圧迫する独裁者の国債

  • 8

    東京都、新型コロナウイルス新規感染15人 2桁台で3…

  • 9

    気味が悪いくらいそっくり......新型コロナを予言し…

  • 10

    東京都、新型コロナウイルス新規感染11人 2日連続で…

  • 1

    「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に

  • 2

    気味が悪いくらいそっくり......新型コロナを予言したウイルス映画が語ること

  • 3

    金正恩「死んだふり」の裏で進んでいた秘密作戦

  • 4

    スズメバチが生きたままカマキリに食べられる動画が…

  • 5

    過激演出で話題のドラマ、子役2人が問題行動で炎上 …

  • 6

    コロナ禍で露呈した「意識低い系」日本人

  • 7

    日本の「生ぬるい」新型コロナ対応がうまくいってい…

  • 8

    コロナ独自路線のスウェーデン、死者3000人突破に当…

  • 9

    優等生シンガポールの感染者数が「東南アジア最悪」…

  • 10

    ロックダウンは必要なかった? 「外出禁止は感染抑…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月
  • 2020年2月
  • 2020年1月