最新記事

女性問題

「求人:女性トレーダー」 金融界の男社会は変わるか

2018年6月21日(木)10時00分

6月14日、米デューク大学で医用生体工学を学んだプリヤ・カラニさん(写真)は、男社会であるウォール街に入るためのスキルは、自分にはないと考えていた。ニューヨークで1日撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

米デューク大学で医用生体工学を学んだプリヤ・カラニさんは、男社会であるウォール街に入るためのスキルは、自分にはないと考えていた。

「金融機関でのトレーディングのキャリアは選択肢ではないと思っていたので、関心を持ったことはなかった」と、カラニさんは言う。

それから10年、カラニさんはニューヨークで英金融大手バークレイズのディレクターを務め、ヘルスケアデリバティブの売買を担当している。また、トレードの世界に入る女性を増やそうという同社の取り組みの一環で、女子大学生に自分の仕事について話す機会にも参加している。

それでもトレーディングの仕事に就こうとする女性は少なく、カラニさんは少数派のままだ。業界には数十年来の「上昇志向の強い男社会」との評価が染み付いており、必要とされるスキルについても誤解が多いためだ。

「トレーディングは、(女性が)入っていくのは難しい世界だ」と、管理職人材斡旋(あっせん)会社シェフィールド・ハワースのジョン・リーガン氏は言う。「各社はトレーダーの男女比率を改善しようとはしているが、あまり変わっていない」

大手投資銀向けに調査研究も行う同社の調べでは、トレーダー職に占める女性の割合は12―15%程度だと、リーガン氏は言う。

業界全体のデータはないが、証券業界の自主規制機関である金融取引業規制機構(FINRA)によると、2017年末時点で同機関に登録している個人の約28%が女性だった。この数字には、トレーダーだけでなく投資アドバイザーも含まれる。

金融各社はこの1年、セクハラや性暴力を告発する「#MeToo運動」が広がり、株主から従業員のダイバーシティーを公表するよう圧力が高まったことを受けて、取り組みを強化してきた。

たとえば、シティグループとバンク・オブ・アメリカは、投資助言会社の求めに応じ、今年初めて従業員のダイバーシティーと男女の賃金差について情報を公開した。

大手企業は昨年から、英国事業における男女の賃金差を報告するよう義務付けられており、銀行では賃金の高いポジションに占める女性の割合が低いことが明らかになっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米潜水艦がイラン軍艦を魚雷で撃沈、87人死亡 スリ

ワールド

イラン、米CIAに停戦に向けた対話の用意示唆=報道

ビジネス

ミランFRB理事、年内利下げ継続を主張 「イラン攻

ビジネス

金利据え置きを支持、インフレ見通しはなお強め=米ク
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 9
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 10
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中