最新記事

日本政治

安倍首相、麻生財務相とのコンビで3選目指す 8月に総裁選前倒し観測も

2018年6月4日(月)17時58分

6月4日、公文書改ざん問題で財務省は職員の処分などを発表、政府・与党は今回の対応で「区切り」を付け、働き方改革法案などの重要法案の成立に全力を挙げる構えだ。安倍首相夫妻、先月撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

学校法人・森友学園の土地取引をめぐる公文書改ざん問題で、財務省は4日に職員20人の処分を発表し、麻生太郎財務相は1年分の閣僚給与の自主返納を申し出た。政府・与党は今回の対応で「区切り」を付け、働き方改革法案などの重要法案の成立に全力を挙げる構えだ。

そのうえで安倍首相周辺では、今年9月の自民党総裁選を8月に前倒しし、ライバルに準備期間を与えず、「3選」のゴールになだれ込むシナリオも浮上している。

野党は、麻生財務相の辞任を求めているが、今回の対応は、その要求を拒否し、安倍首相・麻生副総理兼財務金融担当相の「体制」を堅持し、自民党総裁選に臨む姿勢を明確にするものだ。

一時は、会期内成立が危ぶまれた働き方改革法案は、5月31日に衆院を通過。参議院でも4日午前の本会議で審議入りした。

また、与党はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案を衆院内閣委員会で6日に採決し、7日の本会議で採決させたい考え。

ただ、参院内閣委での審議入りはなお、見通しがたっておらず「1、2週間程度の小幅な会期延長は避けられそうにない」(自民党関係者)との声がくすぶる。

安倍首相周辺で、強気な政権運営で押し切るムードが強まっているのは、こうした重要法案が成立する可能性が高まっていることに加え、各種の世論調査で内閣支持率が30%台から40%台で踏みとどまり「一時のような20%台への低下という危機が後退した」(与党関係者)との判断がありそうだ。

そこに「もう一押し」の動きが急浮上してきた。9月に予定されている自民党総裁選の前倒しだ。

今回の自民総裁選では、石破茂元幹事長や野田聖子総務相らが出馬するとみられている。いずれも通常国会開会中は態度を表明せず、国会閉幕後に立候補を表明するもようだ。

こうした中で、総裁選の日程が前倒しとなれば、準備期間はより短くなり、現職有利に展開するとの見方が広がっている。

先の自民党関係者は「対抗馬の準備期間の短縮は『安倍3選』に有利」と指摘する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

訪日客の売り上げ3割減 6月、高島屋とJフロント

ビジネス

ヤゲオ、芝浦電子へのTOB期間を8月1日まで延長 

ワールド

トランプ政権、不法移民の一時解放認めず=内部メモ

ワールド

トランプ氏、プーチン氏に失望表明 「関係は終わって
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 2
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 5
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 6
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 7
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 10
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中