最新記事

利益相反

トランプ父娘、中国ビジネスで甘い汁──ZTEへの制裁緩和には米議会も反発

2018年5月29日(火)17時30分
ジェシカ・クウォン

トランプもトランプの長女イヴァンカも習近平のコネを使いまくり? Leah Millis-REUTERS

<習近平とのコネがあるトランプ父娘にとって対中ビジネスは思うがまま。お返しにトランプは対北朝鮮禁輸を破ったZTEへの制裁緩和に同意した。これが、トランプの大統領就任当初から危惧されていた利益相反だ>

ドナルド・トランプ大統領の長女イヴァンカの会社が中国政府に申請していたファッション・ブランド「イヴァンカ・トランプ」などの複数の商標登録が、5月に入って承認された。トランプが、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)の経営を助けるため、制裁緩和を行うと発表したのとほぼ同時だった。

政治とお金の問題を監視する団体「ワシントンの責任と倫理を求める市民(CREW)」は5月25日に公式サイトで、イヴァンカ・トランプ・マークスLLCが中国政府に申請していた赤ちゃん用ブランケットやバスマット、布地などの商標登録が5月7日付けで承認を受けたことを明らかにした。

「倫理的に問題があると思われるトランプ一族と中国とのつながりが明らかになったのはこれが初めてではない」とCREWは述べ、トランプが5月13日付けツイートで、ZTEが「早急に事業を再開できるよう」中国の習近平国家主席とともに取り組んでいる、と書いたことを指摘した。

AP通信は、中国商標局の記録にもとづいて、中国は5月27日までの3カ月間で、イヴァンカ・トランプの会社の商標登録を13件も承認していると報じた。

CREWは公式サイト上で、「イヴァンカは、自分の会社と利益相反の可能性があるにもかかわらず、大統領補佐官として合衆国を代表し、さまざまな外交行事に出席している」と指摘。「イヴァンカは、利益相反を防ぐためと言って会社の社長ポストからは身を引いたが、利益の配分は受け取り続けている」

見え見えのタイミング

CREWによれば、イヴァンカ・トランプ・マークスLLCが、多数の商標登録を申請したのは2017年3月のこと。翌月、中国の習近平国家主席がトランプの別荘「マールアラーゴ」を訪れたときにイヴァンカがは夕食をともにし、その日のうちに3件の商標について仮承認を受けている。

イヴァンカの会社は、劣悪な環境の中国の工場で労働者を安く働かせていると批判を受けている。そしてトランプが今年に入って中国からの輸入品に高関税を課したときも、イヴァンカの会社の提携先工場は関税を免除された。

また、北朝鮮とイランへの禁輸措置に違反してアメリカからの部品輸出禁止などの制裁を受け、経営危機に陥っていた中国ZTEに対しては、習近平と相談の上、トランプが5月25日、制裁緩和を決めた。これには米下院の民主党議員が反発、倫理上の問題があるのではないかと、連邦政府に調査を求めた。

トランプが制裁緩和を決定する直前には、インドネシアのテーマパーク建設プロジェクトに中国政府が5億ドルの貸し付けを認めた。このテーマパークには、トランプ・ブランドのホテルやゴルフ場が併設されることになっている。

(翻訳:ガリレオ)

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

MAGAZINE

特集:世界を変えるブロックチェーン起業

2019-4・23号(4/16発売)

難民にデジタルIDを与え、医療情報や物流を正しく管理── 分散型台帳を使う新事業・新ビジネスが各国で始まった

人気ランキング

  • 1

    巨大なホホジロザメが一匹残らず逃げる相手は

  • 2

    「心の専門家」に、ピエール瀧氏を「分析」させるメディアの罪

  • 3

    「美人銭湯絵師」の盗作疑惑に見る「虚像」による文化破壊

  • 4

    シャチがホホジロザメを餌にし始めた

  • 5

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 6

    謎のシャチが見つかった?未知の4種目の可能性

  • 7

    インドネシア大統領選、敗北認めぬ候補支持者が大規模…

  • 8

    ボストン・ダイナミクスの四足歩行ロボット、10台で…

  • 9

    米朝対話で狭まる北朝鮮の選択肢

  • 10

    [動画]クジラがサメの襲撃から人間を救った

  • 1

    巨大なホホジロザメが一匹残らず逃げる相手は

  • 2

    シャチがホホジロザメを餌にし始めた

  • 3

    謎のシャチが見つかった?未知の4種目の可能性

  • 4

    「美人銭湯絵師」の盗作疑惑に見る「虚像」による文…

  • 5

    [動画]クジラがサメの襲撃から人間を救った

  • 6

    女性の体は、弱い精子をブロックする驚くほど洗練さ…

  • 7

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 8

    「心の専門家」に、ピエール瀧氏を「分析」させるメ…

  • 9

    子供の亡骸を16日間も離さない母シャチの悲嘆「もう…

  • 10

    墜落したF35、1機分のお金で何ができたか―「欠陥商品…

  • 1

    巨大なホホジロザメが一匹残らず逃げる相手は

  • 2

    無残、少女の足の裏に無数の寄生虫!

  • 3

    シャチがホホジロザメを餌にし始めた

  • 4

    人類史上最も残虐な処刑は「首吊り、内臓えぐり、仕…

  • 5

    女性の体は、弱い精子をブロックする驚くほど洗練さ…

  • 6

    「令和」に関して炎上する中国ネット

  • 7

    謎のシャチが見つかった?未知の4種目の可能性

  • 8

    映画『ボヘミアン・ラプソディ』が語らなかったフレ…

  • 9

    大坂なおみ選手の二重国籍が認められた!

  • 10

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
広告営業部員ほか求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月