中国学生の反セクハラ運動封殺か 加害者を処罰するも抗議デモは禁止
ドアをロック
中国で「#MeToo」運動が広がる発端となったのは、米国を拠点とする中国人ソフトウエア開発者のLuo Xixiさん(31)が12月31日、北京航空航天大学の陳小武教授からセクハラ被害を受けたとブログに投稿したことだった。
このブログでLuoさんは、12年前の夜に陳教授に車に乗せられ、キャンパス外の家に連れて行かれて、ドアの鍵を閉めた部屋で襲われたと訴えた。これは、匿名で昨年10月に中国のウェブサイト「Zhihu.com」に投稿したものを再投稿したものだった。彼女が泣き始め、処女だと伝えると、教授は手を緩めたという。
調査の結果、陳教授が学生たちにセクハラを行っていたことが判明し、除籍処分にしたと北京航空航天大学は明らかにした。教育省もその後すぐに陳氏の肩書を剥奪した。
1月1日付の北京青年報とのインタビューで、陳氏は規則に違反したことはなく、嫌疑が正確かどうかは捜査で明らかにされるだろうと語っている。ロイターは同氏からコメントを得られなかった。
Luoさんはロイターの電話取材に対し、大学や国営メディア、教育省や中国の世論の反応は、圧倒的に、そして予想外に好意的なものだったと語った。
昨年10月に最初に連絡した当初は、大学側の反応は鈍かったという。「上からの指示がまだないとか、関連する法律や規則がないとか、前例がないとか言って、なかなか対処してくれなかった」とLuoさんは話す。
しかし、名前を明かしての投稿がネット上で拡散し、人民日報が世間に訴えた彼女の決断を支持する論説を掲載すると、大学は直ちに対応した。「その後の進展の早さには、とても満足している」とLuoさんは言う。
当局の今回の対応は、最近の例と比べても非常に異なっている。当局は2015年、警告を無視して世界女性の日に公共交通機関で反セクハラを訴えるデモを計画していた女性活動家5人を拘束した。彼らは1カ月後に解放された。