最新記事

トランプ暴露本 政権崩壊の序章

暴露本『炎と怒り』が明かすトランプ政権の深層

2018年2月13日(火)18時00分
アレクサンダー・ナザリアン(本誌シニアライター)

【6】28歳の若さで広報部長に抜擢された元モデルのホープ・ヒックスは、トランプ陣営の選対本部長で後に解任されたコーリー・ルワンドウスキと恋愛関係にあったと噂されている。トランプはヒックスに向かって、「ルワンドウスキが付き合った女の中で君が一番セクシーだな」と言い放った。ヒックスは「トランプの下で働いた誰よりも献身的で、(トランプのセクハラに)寛容だ」と、ウルフは指摘している。

【7】メディア対応の最前線に立つ大統領報道官のポストには、FOXニュースの人気司会者タッカー・カールソンや、保守派の論客ローラ・イングラムなどの名前も挙がっていたという。結局、白羽の矢が立てられたのは長年共和党の中枢で働いてきたショーン・スパイサー。オファーを受けたスパイサーは、「引き受けたら、再び仕事をすることができるだろうか」と自問したという。

【8】トランプはNYTのベテラン記者で、ゴシップに強いマギー・ハバーマンをやたらと気にしているという。彼女の記事はホワイトハウスの内情を詳細かつ批判的に伝えるもの。「トランプはクイーンズ出身で、NYTに畏怖の念を抱いている。その点を除けば、トランプをあざ笑い、イメージを悪化させるハバーマンにトランプとヒックスがなぜ期待するのか、ホワイトハウスの誰も理解できない」

【9】トランプの娘婿で上級顧問のジャレッド・クシュナーと、バノンの仲がしっくりいっていなかったのは周知の事実。2人はそれぞれ独自のメディア戦略を持っており、親しいメディアにリークした情報の内容が食い違うこともしばしばあった。

バノンの広報部長を務めていたアレサンドラ・プリエイトは「ウイットに富み、シャンパンに目がない保守派のセレブ」。彼女が親しくしている保守派の大富豪レベッカ・マーサーは、ブライトバートを含むバノンの政治活動を支援してきたとされる。ただしマーサーは『炎と怒り』の出版に先立ち、バノンと距離を置く声明を出した。

【10】トランプ政権の「広報活動はホワイトハウスの現代史の中でもまれに見る機能不全状態に陥っている」と、ウルフは書く。広報業務を取り仕切るのは広報部長のヒックスと、昨年7月に辞任したスパイサーに代わって報道官に就任したサラ・サンダースだ。サンダースはウルフの新著を「今まで誰も名前を聞いたことがない著者によるごみ」と切り捨てた。

<本誌2018年1月23日号「特集:トランプ暴露本 政権崩壊の序章」から転載>

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 2
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 3
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」も子に受け継がれ、体質や発症リスクに影響 群馬大グループが発表
  • 4
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 5
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 6
    「リラックス」は体を壊す...ケガを防ぐ「しなやかな…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    中国ネトウヨが「盗賊」と呼んだ大英博物館に感謝し…
  • 9
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 10
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 6
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中