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EU、イギリスの2020年完全離脱を疑問視 移行は長期化か

2018年2月9日(金)12時30分

2月8日、欧州連合(EU)は英国が2020年末までにEUから完全に離脱する準備ができていないと考えているもようだ。写真はロンドンで昨年9月撮影(2018年 ロイター/Tolga Akmen)

欧州連合(EU)は英国が2020年末までにEUから完全に離脱する準備ができていないと考えているもようだ。移行計画からそう見込まれるほか、複数のEU高官も移行期間の長期化に備えているという。

離脱交渉に詳しいEU当局者や複数の外交関係者によると、アイルランド国境のほか、将来の通商関係を巡る英国内の対立など未解決問題が多いため、移行が長引くとの見方が大勢となっている。

2人のEU高官は、現在提示されている21カ月の移行期間について英側交渉官が延長を打診しているようだと説明。一方、別の関係者は、メイ英首相がなお自由貿易協定の交渉を2021年1月に始める意向だと話した。

メイ氏は公には移行長期化を否定している。EU側は柔軟に対応する考えを示しているが、フランスや他の加盟国は英国が中途半端にEUにとどまることが妥協につながることを懸念して反対している。

ブリュッセルでは今週、移行に関する公式協議が始まったが、EU外交官は、19年3月に英国が正式にEUを離脱しないと、いかなる期間延長も合意されないと指摘。これにより、英国は2021年までに貿易協定を締結しなければならないという圧力にさらされ続けることになる。

またEUは、移行期間が始まる19年3月までにアイルランドなどすべての問題を解決する必要があるとの考えで、あるEU外交官は「期限までに離脱合意が承認されなければ、移行期間もない。英国は強硬離脱となるだけだ」と語った。

[ブリュッセル 8日 ロイター]


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