最新記事

#MeToo

フランス、路上のセクハラが1万円以上の罰金対象に

2018年2月6日(火)20時00分
松丸さとみ

フランス、路上のセクハラが1万円以上の罰金対象に JackF-iStock

路上のセクハラ、罰金対象に

フランスで、路上で女性に対し体つきや外見に関してわいせつな言葉をかけた場合、90ユーロ(約1万2000円)以上の罰金が科されることになるかもしれない。

フランスのニュースを英語で伝えるサイト「ザ・ローカル」などが1月24日に報じた内容によると、公的な場所で女性の「移動の自由」を侵害し、自尊心や安全への権利を損なう行為をした場合、90ユーロの罰金を科すよう提言する政府報告書がまとめられたという。

昨年10月、マルレーヌ・シアパ男女平等担当副大臣は路上での性的嫌がらせ(セクハラ)を罰する法律を整備する方向で動いていると明らかにしていた

英紙サンデーエクスプレスによると、シアパ副大臣が中心となった作業部会が路上でのセクハラについて、何が「違反行為」となるのか、定義しようと協議してきた。目的は、フランス国内で起こっている「日常的な性差別」に取り組むためだという。

今回まとめられた報告書によると、路上で女性の後を付け回す、通りをふさぐ、女性の体つきや外見について大声でわいせつな言葉をかける、などが罰金の対象となる。

罰金が科せられた際にその場で支払う場合は90ユーロ、15日以内の支払いなら130ユーロ(約1万8000円)で、支払いが遅れた場合は最大で375ユーロ(約5万円)に膨らむ可能性がある。

仏版#MeTooを巡り意見が二分

米国から始まった、セクハラや性的暴力の被害を告発する動き「#MeToo」(私も)だが、フランスでは、「#MeToo」に相当するハッシュタグとして「#BalanceTonPorc」が使われている。タイム誌の昨年10月の記事によると直訳すると「あなたのブタを暴露しよう」という意味で、MeToo同様、自分が受けたセクハラや性的暴力の経験を明らかにしたり、相手を暴露したりする際に使われているようだ。

ただし、「愛の国」と呼ばれるフランスでは、女性が団結している米国の動きとは異なり、状況は少し複雑だ。ニューヨーク・タイムズは、米国と比べフランスが性的な物事に対し「長きに渡り、より柔軟でオープンな態度を持つとされてきた文化」がその背景にあると説明している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

サハリン2のLNG調達は代替可能、JERAなどの幹

ビジネス

中国製造業PMI、10月は50.6に低下 予想も下

ビジネス

日産と英モノリス、新車開発加速へ提携延長 AI活用

ワールド

ハマス、新たに人質3人の遺体引き渡す 不安定なガザ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中