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カタルーニャ議会、プチデモンを州首相候補に スペイン政府と対立再燃か

2018年1月23日(火)10時18分

1月22日、スペイン北東部カタルーニャ自治州の議会は、昨年10月の一方的な「独立宣言」後、海外に滞在するプチデモン前州首相を首相候補に指名した。コペンハーゲン空港に到着した同前首相(2018年 ロイター)

スペイン北東部カタルーニャ自治州の議会は、昨年10月の一方的な「独立宣言」後、海外に滞在するプチデモン前州首相を首相候補に指名した。中央政府は同氏の再任を認めない方針を示しており、対立が再燃する可能性がある。

プチデモン氏は昨年10月、当局の拘束を逃れるためにベルギーに出国。12月に実施されたカタルーニャ州議会選挙では独立賛成派が過半数の議席を確保したため、同氏が州首相に再選される可能性が高まった。

プチデモン氏や支持者らはベルギーからの遠隔統治が可能との考えを表明しているが、スペイン政府はこの可能性を否定し、阻止に向けて提訴する構えを示している。

プチデモン氏は22日、デンマークのコペンハーゲン大学で行われた討論会で、独立運動はスペイン当局に「屈しない」と強調。同氏がベルギーを離れたのは3カ月ぶり。

同氏には、カタルーニャ州独立の是非を問う違法な住民投票を強行し、一方的に独立を宣言したとして、反逆や扇動などの容疑がかけられており、有罪が認められれば数十年に及ぶ禁錮刑が科せられる可能性がある。

スペインのラホイ首相や閣僚らはこれまで、プチデモン氏が海外に滞在したまま再選された場合、裁判所に無効を申し立て、中央政府の直接統治を続ける方針を示している。ただ、カタルーニャ議会のロジェ・トレン議長は、州首相候補はプチデモン氏のみだと言明。新たな州首相候補の信任表決は1月31日までに実施する必要がある。

一方、スペイン最高裁は22日、検察当局によるプチデモン氏への「欧州逮捕状」の再発行請求を却下した。検察は同氏のデンマーク滞在中に同国に身柄拘束を求める方針を示していた。

[マドリード/コペンハーゲン 22日 ロイター]


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