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アメリカ社会

オプラが次期大統領候補になってはいけない理由

2018年1月18日(木)18時00分
ヘイデン・フライ

大企業のトップにも無理

ウィンフリーは社会に多大な貢献をし、先日のスピーチではアメリカ社会の「新たな夜明けは近い」と訴えた。しかし、それだけでは大統領候補になる資格はない。セレブどうこうだけではなく、政治に疎い人間は出馬すべきではないからだ。

ワシントンのエリートを軽蔑して「アウトサイダー」を求める声は確かにある。国民の75%は、政府内に腐敗が蔓延していると思っている。

しかし腐敗をなくすために素人を大統領に選ぶのは、戦艦で反乱を起こし、船長と一緒に船の舵まで海に放り出すようなものだ。政府を効率よく機能させるのに必要な経験と知識は、他の職業では得られない。

大企業のトップのスキルは国の運営に生かせるという主張がある。だが企業と政府では、その在り方も仕事の内容も全く違う。企業は商品を金に換える。政府は法を執行し、私有財産を保護し、個人の安全を守り、外敵から防衛するなど無数の仕事をこなす。何かを何かに換えることは考えない。

政府の根源的な役割は、株主に配当を出すことではなく、社会のルールを徹底させることだ。政府は熟練者を必要とするどんな職業よりも複雑なシステムを駆使し、ルールを絶えず更新しつつ執行している。

政治経験の全くないセレブやビジネスマンを大統領候補にまつり上げるのは、愚かであり危険なことだ。

本誌2018年1月23日号[最新号]掲載

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