最新記事

経済制裁

中国当局、北朝鮮への観光旅行制限を通達 トランプ訪中控え

2017年11月8日(水)11時00分

11月7日、北朝鮮との国境にある中国・遼寧省丹東市の旅行会社は、北朝鮮の首都・平壌などを訪れる旅行を8日から中止するよう当局から指示を受けた。写真は丹東でボートに乗る中国人観光客。8月撮影(2017年 ロイター/Philip Wen)

北朝鮮との国境にある中国・遼寧省丹東市の旅行会社は7日、北朝鮮の首都・平壌などを訪れる旅行を8日から中止するよう当局から指示を受けた。複数の関係筋が7日、匿名を条件にロイターに明らかにした。

トランプ米大統領の初めての中国公式訪問を8日に控えていることが背景とみられる。

トランプ大統領と習近平国家主席との首脳会談では北朝鮮の核開発問題が最も重要な議題となる見通し。米国は中国に対し、隣国北朝鮮への圧力を強めるよう求めている。

国際社会がここ1年で北朝鮮への制裁を強化し、主要輸出品である石炭や海産物、繊維製品の輸出が制限される中、観光は北朝鮮に残された数少ない外貨獲得手段の1つとなっている。

中国人観光客の北朝鮮旅行を扱う旅行会社の大半は丹東に拠点を置く。

旅行会社関係筋によると、今回の旅行制限に関する通知は7日に丹東市の観光局から出され、理由は示されなかったという。

7日時点で丹東市観光局には接触できていない。中国外務省はコメントの求めに応じていない。

関係筋によると、旅行制限を受け、8日以降は中朝国境を挟んで丹東の向かい側の新義州市への日帰り旅行だけが認められ、平壌などより離れた都市への旅行は当面禁止される。

丹東の関係筋は「今回の措置は北朝鮮への制裁強化と関係がある可能性が高い。トランプ大統領が中国訪問を終えた後にどうなるか、見守るしかない」と述べた。

[北京/ソウル 7日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




ニューズウィーク日本版11/14号 特集:トランプのアジア戦略【本誌11/14号】特集:トランプのアジア戦略

アジアを初訪問するトランプ大統領── アメリカは台頭する中国にどう向き合うのか?

米外交 トランプの新戦略はアジアを変えるか
日米関係 トランプお友達作戦で安倍さん大丈夫?
アジア 日米同盟の不確かな未来
視点 対中戦略を改める好機を生かせ
詳しくはこちら=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米の和平案、ウィットコフ氏とクシュナー氏がロ特使と

ワールド

米長官らスイス到着、ウクライナ和平案協議へ 欧州も

ワールド

台湾巡る日本の発言は衝撃的、一線を越えた=中国外相

ワールド

中国、台湾への干渉・日本の軍国主義台頭を容認せず=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 7
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 8
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中