最新記事

北朝鮮

トランプ政権、北朝鮮との直接対話を模索 水面下で接触

2017年11月1日(水)11時56分

10月31日、北朝鮮を巡っては、トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の挑発的な言葉の応酬で軍事衝突への懸念が高まったが、一方で国務省のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表(右)が「ニューヨ-ク・チャンネル」を通じて北朝鮮の国連代表部と接触しているという。写真は4月に東京で会見する同北朝鮮担当特別代表。代表写真(2017年 ロイター)

トランプ米大統領が北朝鮮との直接対話は時間の無駄だと公言する一方で、米国が北朝鮮との直接対話を水面下で模索していることが、米国務省高官の話で明らかになった。

北朝鮮を巡っては、トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の挑発的な言葉の応酬で軍事衝突への懸念が高まったが、一方で国務省のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表が「ニューヨ-ク・チャンネル」を通じて北朝鮮の国連代表部と接触しているという。

ニューヨ-ク・チャンネルは米国が持つ数少ない対話ルートの1つだ。

ティラーソン米国務長官も10月中旬、「最初の爆弾が落ちるまで外交努力を続ける」と述べており、国務省高官の発言は、トランプ大統領の否定的な発言の一方で、米国が北朝鮮と直接接触していることを裏付けるものとみられる。

ただ、こうした水面下での接触が両国の関係改善につながる兆しは見られない。

米国や韓国の一部当局者の間では、ユン代表による北朝鮮とのやり取りが限られたものになっているとの見方もある。だが、国務省高官は「頻度と内容の両面において、接触が限られているという事実は全くない」とし、ユン氏が北朝鮮側に強調している点の1つは核実験とミサイル発射をやめることだと述べた。

トランプ大統領の就任当初、ユン代表への指示は、北朝鮮に拘束された米国人の解放を求めることに限定されていた。

国務省高官は「同代表の権限は今ではより広い範囲にわたっている」と述べた。ただ、核・ミサイル開発について協議する権限が与えられているかどうかは明らかにしなかった。

同高官によると、ユン氏が北朝鮮との間で高官級の協議を最後に実現したのは、同国に拘束された米国人学生オットー・ワームビア氏の解放を求めるために訪朝した際だ。

高官によれば、ワームビア氏が解放後に死亡したことで米朝の接触は冷え込んだが、最も大きく影響したのは北朝鮮のミサイル・核実験の加速だという。

高官は「終着点としては戦争よりも何らかの外交的解決が好ましい」とし、米政権が北朝鮮に外交的な屈服か軍事措置の二者択一を求めているという見方は「誤っている」と強調した。

[ワシントン 31日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

世銀、26年世界成長率2.6%に上方修正 持続性に

ビジネス

米10月新築住宅販売0.1%減73.7万戸、価格下

ビジネス

米セントルイス連銀総裁「短期的な利下げ理由なし」、

ワールド

グリーンランド、米より「デンマーク選ぶ」 バンス氏
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救った...実際の写真を公開、「親の直感を信じて」
  • 3
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が話題に 「なぜこれが許されると思えるのか」
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 8
    「お父さんの部屋から異臭がする」...検視官が見た「…
  • 9
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 7
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中