最新記事

自動車

タクシーをLPガスと電気のHVワゴンへ トヨタ、次世代車発売

2017年10月23日(月)18時44分

10月23日、トヨタ自動車新型のタクシー専用車「ジャパンタクシー」を発売した。出発会で、左から川鍋会長、石井国交相、豊田社長(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

トヨタ自動車<7203.T>は23日、新型のタクシー専用車「ジャパンタクシー」を発売した。従来車から22年ぶりとなる新型車で、これまでのセダン型からワゴン型に変更。

床を低くし、大きな開口部を持つ電動スライドドアにするなど、高齢者や車いすの使用者、大柄な外国人など誰もが快適に乗降できるようにした。

車体の色は3色あるが、海外からは「ジャパンブルー」と呼ばれ、古くから日本を象徴する色とされる深い藍色をメインカラーとし、街を走るタクシーの色の統一を目指す。日本のタクシー車両はトヨタがシェア約8割を占めており、各事業者は走行距離や年数により順次、車両を入れ替える見込み。

豊田章男社長は同日の出発式で、新型タクシーは「安心で安全、清潔だ」と説明。小学生の頃の夢がタクシードライバーだったことにも触れ、「トヨタという会社にとっても個人にとってもタクシーは非常に大きな存在」と語り、「このタクシーで東京の街から日本の風景を変えたい」と述べた。

全国ハイヤー・タクシー連合会の川鍋一朗会長(日本交通会長)も、2020年の東京五輪・パラリンピック開催時には「東京を走るタクシーの3台に1台をジャパンタクシーにして乗客をお迎えしたい」と述べ、全国主要都市にも順次展開したい意向を示した。

またトヨタは、東京都で走るタクシー500台に搭載した通信型ドライブレコーダーで収集される走行画像や車両データを解析。その結果から得られる渋滞情報をスマートフォン向けアプリで配信するサービスも18年春から始める。

次世代車では左側を電動スライドドアにした。開口部は高さ1.3メートル、幅72センチメートルで、地面からの高さは32センチと低くし、腰をかがめるのが負担となる高齢者や妊婦、背の高い人などが乗降しやすいようにした。

タクシー車両としては世界で初めて衝突回避などを支援する先進安全装置を標準設定。運転席・助手席の前面に加え、両サイド、前後席にカーテンのエアバッグ計6つを標準装備した。タクシーで主流のLPG(液化天然ガス)と電気モーターを組み合わせた1.5リッターのハイブリッド専用エンジンを採用した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾総統、強権的な指導者崇拝を批判 中国軍事パレー

ワールド

セルビアはロシアとの協力関係の改善望む=ブチッチ大

ワールド

EU気候変動目標の交渉、フランスが首脳レベルへの引

ワールド

米高裁も不法移民送還に違法判断、政権の「敵性外国人
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 4
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 5
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 6
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 9
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中