最新記事

北朝鮮

北朝鮮の電磁パルス攻撃で「アメリカ国民90%死亡」――専門家が警告

2017年10月26日(木)18時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

核装置を視察する金正恩 KCNA-REUTERS

<北朝鮮の攻撃力を過小評価するアメリカは「諜報に失敗」している?>

北朝鮮の電磁パルス(EMP)攻撃を受けた場合のアメリカの被害予想は甚大だ。

CIAの核専門家だったピーター・プライらがまとめた報告書で、都市機能や通信網を破壊する電磁パルス(EMP)攻撃によって、アメリカ国内の電力などインフラが破壊され、食糧供給も壊滅することで、人口の9割が死亡する可能性があると試算された。インディペンデントや英サン紙など複数メディアが報じた。

北朝鮮が電磁パルス攻撃を仕掛けた場合、大気圏より上空の弾道を通ってアメリカ(もしくは他の標的)上空に到達すると爆発。目に見えない電磁気エネルギーを放出し、アメリカ全体の電力網、電話回線、さらにはインターネットの接続にダメージを与える。

難易度低いEMP攻撃

北朝鮮の攻撃と言えば、7月4日に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)が記憶に新しいが、ここに来てなぜEMP攻撃が注目されているのか。

それはEMPの被害範囲が広く、さらにICBMなど他の兵器よりも高い精度を要求されることがないため、攻撃の難易度は下がると報告書は指摘する。

EMP攻撃はアメリカ全土に網羅された電力網にダメージを与え、全国民およそ3億2200万人が利用する通信インフラを破壊することが予測される。忘れてはならないのが、航空機関の管制システムも被害を受けるということだ。

プライは、「(EMP攻撃を受けた場合)北米上空を飛行する旅客機が墜落して最大で50万人の乗客が死亡する」と被害予想を経済紙フォーブスに語った。また、核爆発による放射性物質の飛散で農業をはじめ食糧供給が壊滅的な打撃を受け、国民の9割が1年以内に死亡するとみている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、米国に抗議 台湾への軍用品売却で

ワールド

バングラデシュ前首相に死刑判決、昨年のデモ鎮圧巡り

ワールド

ウクライナ、仏戦闘機100機購入へ 意向書署名とゼ

ビジネス

オランダ中銀総裁、リスクは均衡 ECB金融政策は適
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 5
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 8
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中