最新記事

健康

韓国の女性たち、怒り心頭 生理用ナプキンに化学物質で健康被害

2017年9月6日(水)18時37分
杉本あずみ

newsweek_20170906_181427.jpg

個人輸入が急増しているというディーバカップ。 (c) JTBC / YouTube

そんな中、今回問題となっているリリアン製品は、比較的低価格で大型マートやコンビニエンスストアなどでは1+1(1つ購入するともう1つおまけで付いてくる)イベントを良く頻繁に行っていることで有名だった。高価な生理用ナプキンを安く購入しようと多くの女性が買い求めて使用しており、リリアンのシェアは生理用ナプキン市場全体の20%にも及んでいた。

使用者たちからの多くの被害の声を受け、食品医薬品安全処はリリアン生理用ナプキンに対し品質検査を行った。その結果、下着とナプキンを固定するための接着部分に揮発性有機化合物(VOC)というペンキや接着剤、洗剤などに含まれている物質が発見された。これが原因だと言われているが、揮発性有機化合物(VOC)について、その成分分析方法が未だ確立されておらず、分析には時間がかかりそうだと発表した。

【参考記事】キム・ギドク監督だけでない! 韓国の女優ら、撮影現場の暴力を告発
【参考記事】「妊娠するためのサポート」が企業に求められる時代

国内の生理用ナプキンに不安を感じた韓国人女性たちは、現在個人輸入で外国産ナプキンを購入する動きを見せている。ある海外通販代行サービスサイトでは、リリアン問題が大きくなっていった8月18〜24日の1週間のうちに、海外生理用ナプキンの売り上げが平均の6.6倍増加した。大型スーパーマーケットEマートの発表によると、韓国産生理用ナプキン全体の売り上げが4.3%ダウンしたと発表した。

また、数年前から韓国女子の間では話題となっていた「ディーバカップ」も、現時点では国内での発売認可前にも関わらず、個人輸入による購入が460%増加している。これは、シリコン製のカップのような形をしたもので、直接膣の中に挿入して使用するため何度も洗って使うことができる。今回の事件を受け、食品医薬安全処は8月28日、来年から「ディーバカップ」の正式発売許可が下りると発表した。このように、今回の事件で生理用ナプキンへの不安から脱使い捨てナプキンという動きも急速に広がっている。


布ナプキンの見直しや、また海外からディーバカップを個人輸入する人まで脱使い捨てナプキンの動きも (c)JTBC / YouTube

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

パキスタンとアフガン、即時停戦に合意

ワールド

台湾国民党、新主席に鄭麗文氏 防衛費増額に反対

ビジネス

テスラ・ネットフリックス決算やCPIに注目=今週の

ワールド

米財務長官、中国副首相とマレーシアで会談へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「実は避けるべき」一品とは?
  • 4
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 5
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 6
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 7
    自重筋トレの王者「マッスルアップ」とは?...瞬発力…
  • 8
    「中国は危険」から「中国かっこいい」へ──ベトナム…
  • 9
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 10
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 7
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 8
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 9
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 10
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中