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10日でクビのスカラムッチにも酷評されるトランプ劇場

2017年8月26日(土)17時20分
サム・ポトリッキオ(本誌コラムニスト)

12日のシャーロッツビルの衝突事件以降、トランプ発言への批判は鳴りやまない Kevin Lamarque-REUTERS

<元海兵隊大将のケリー首席補佐官もお手上げ状態。「お騒がせ」大統領の暴走はまだまだ続く>

「お騒がせ大統領」のドナルド・トランプには、一貫性がほとんどない。唯一の例外は、常に制御不能という点だ。

元海兵隊大将のケリー国土安全保障長官が大統領首席補佐官に起用されたときは、これでトランプ政権の大混乱も少しは落ち着くという見方が広がった。生真面目な元軍人のケリーなら、勝手気ままなトランプをおとなしくさせられると思われていた。

だがケリーは輝かしいキャリアの中でおそらく初の、ひどい挫折を味わった。ニューヨークのトランプタワーで行われた8月15日の記者会見で、ネオ・ナチやオルト・ライト(オルタナ右翼)と左派の平和的なデモを同列に論じるトランプの横で肩を落とすケリーの姿は、ひどく無力に見えた。

極右勢力を擁護するために左派の「オルト・レフト」を非難し、奴隷制の維持を主張した南軍の司令官ロバート・リーとアメリカ建国の父ジョージ・ワシントンを同等に扱ったトランプは、明らかに限度を超えていた。メルク、アンダーアーマー、インテルといった大企業のCEOは、沈みゆく船から逃げ出すように大統領諮問機関の委員を次々と辞任。2つの諮問機関は解散に追い込まれた。

【参考記事】白人至上主義の扱いめぐり共和党もじわり「トランプ離れ」

与党・共和党の大物議員たちも、ほぼ全員が大統領の発言を激しく非難した。メディアはトランプに白人至上主義者のシンパというレッテルを貼った。

トラブルは15日の記者会見の前から始まっていた。前日の14日には、就任後わずか10日間で解任された「暴言男」のスカラムッチ前広報部長が人気トーク番組に出演。12日に南部バージニア州シャーロッツビルで起きた悲劇(白人至上主義者の集会に抗議していた女性ヘザー・ハイヤーが極右の男の車にひかれて死亡した)の直後の声明で、トランプが極右勢力を名指しで非難しなかった点を批判して、バノン大統領首席戦略官・上級顧問は政権を去るべきだと言った。スカラムッチに酷評されるのだから、トランプの対応は「下の下」だったことが分かる。

15日の記者会見は、さらにひどかった。トランプは白人至上主義者を擁護しただけでなく、ハイヤーをないがしろにするような言動もあった。トランプはなぜか話題を自分自身に移し、ハイヤーの母親は以前、トランプについて「非常にいいこと」を言っていたと言いだし、続いてメディアの「フェイクニュース」を攻撃したのだ。

記者会見中、トランプのそばに立っていたコーン国家経済会議委員長は、後になってトランプの発言に「激怒」し、「あきれ果てた」と語った。「不満どころの話ではない」と言ったとされるケリーは、最も過酷な戦争でもトランプよりは予測も制御もしやすいのかもしれないと思い始めているようだ。

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