最新記事

G20

G20でハンブルグ入りしたトランプの散々な初日

2017年7月7日(金)14時46分
ミシェル・ゴーマン

ハンブルグでは6日、約1万人のデモ隊が警官隊と衝突する騒ぎに Pawel Kopczynski-REUTERS

<G20サミットのためにハンブルグ入りしたトランプだが、大物ミュージシャンが集うイベントには招待されず、激しいデモの歓迎を受け、高級ホテルはどこも満室......>

ドイツのハンブルグで7、8日に開かれる主要20カ国・地域(G20)サミットを前に、現地では6日、各国の首脳や大物ミュージシャンが参加する「グローバル市民フェスティバル」が開催された。しかしこのイベントに、ドナルド・トランプ米大統領は招待されなかった。

イベントには、コールドプレイやファレル・ウィリアムス、シャキーラなどの大物ミュージシャンと共に、カナダのトゥルドー首相、アルゼンチンのマクリ大統領、ノルウェーのソルベルグ首相ら各国首脳も参加した。国際的な医療問題、男女間格差、教育問題を改善するために約6億6000万ドルの支援金を各国政府から募ることがその目的だ。

イベントを主催した「グローバル・シティズン」の関係者によると、世界の恵まれない人々のために貢献すると公約している指導者だけを招待する方針のため、トランプは世界で最も影響力がある指導者の1人でありながら招待されなかった。

【参考記事】トランプの訪欧に大逆風、前例のない抗議と不人気
【参考記事】トランプ、抗議デモ避けてイギリスに「密入国」?

グローバル・シティズンは世界の市民活動をオンライン上で支援するグループで、2012年9月にニューヨークのセントラルパークで最初の「グローバル市民フェスティバル」を成功させた。グループの目的は、世界中で極度の貧困を2030年までに撲滅すること。グループのサイトによると、これまでの活動で、2030年までに10億人の生活を改善する事業に対して300億ドルの資金を支援している。

今回のフェスティバルの様子は、グループのフェイスブックページ上でも生中継された。

トランプ系列のホテルがない!

イベントの一方では、サミットやトランプに抗議するデモ隊が警官隊と衝突する事態も起きた。デモはハンブルグの港近くで行われ、左派活動家など約1万人が参加した。一部の参加者が警官隊にれんがを投げたり、車に火を付けたりして暴徒化したため、警察が放水車を使って制圧した。

トランプ大統領に関しては、地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」からアメリカが離脱すると表明したことが注目されている。声明の中でトランプは、パリ協定がアメリカにとって不公平な取り決めだと批判した。

一方、ニュースサイト「Buzzfeed」は5日から、トランプがハンブルグで豪華ホテルを確保できなかったと伝えている。地元紙によると、米政府担当者は当初「フォーシーズンズ」での宿泊を予定していたが、すでに満室になっていた。他の高級ホテルも予約で埋まっていたため、最後はハンブルグ市当局が宿泊先の確保に協力したようだ。

トランプの家族が経営する「トランプ・オーガニゼーション」は、ゴルフコースやオフィスビルと共にもちろんホテルも経営している。しかしハンブルグには系列のホテルはなく、トランプはドイツ連邦参議院の宿泊施設を利用し、随行スタッフはアメリカ総領事館に宿泊する。

【参考記事】D&Gが女性歌手に激怒した理由はメラニア!? 

今回のサミット中、トランプは日本の安倍晋三首相や中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領らと会談する予定だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン核施設攻撃「中核部分破壊されず」と米情報機関

ワールド

英、35年までに国防関連費をGDPの5%へ引き上げ

ワールド

トランプ氏、NATO相互防衛条項に疑問呈す 首脳会

ビジネス

対米直接投資が第1四半期に急減、トランプ関税巡る不
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 3
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり得ない!」と投稿された写真にSNSで怒り爆発
  • 4
    細道しか歩かない...10歳ダックスの「こだわり散歩」…
  • 5
    都議選千代田区選挙区を制した「ユーチューバー」佐…
  • 6
    「子どもが花嫁にされそうに...」ディズニーランド・…
  • 7
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 8
    人口世界一のインドに迫る少子高齢化の波、学校閉鎖…
  • 9
    イスラエル・イラン紛争はロシアの影響力凋落の第一…
  • 10
    「温暖化だけじゃない」 スイス・ブラッテン村を破壊し…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 8
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 9
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中