最新記事

タイ王室

ドイツでタイ国王がBB弾で「狙撃」、これがタイなら......

2017年6月22日(木)18時50分
大塚智彦(ジャーナリスト)

ワチラロンコン国王の幸福を祈るタイ人(バンコク、2016年12月) Chaiwat Subprasom-REUTERS

<タイ国王が狙われた理由としては非常に不敬な噂も飛び交っている>

タイのワチラロンコン国王が滞在先のドイツで自転車に乗ってサイクリングをしていたところ、ドイツ人少年ら2人がエアガンを国王に向けて発射する事件が起きていたことが明らかになった。

ドイツ語紙などの報道を総合すると、6月10日夜、ミュンヘン郊外でサイクリングをしていたワチラロンコン国王に対して、ドイツ人の13歳と14歳の少年2人が、ソフトエアガンといわれるおもちゃのモデルガンからプラスチック製弾丸(いわゆるBB弾)を発射したという。地元紙やネット情報では舗装された狭いサイクリングロードから約8メートル離れた樹木の木陰から国王を狙撃しようとしたものとみられている。

弾は国王には当たらなかった模様で、周囲にいたタイ側の警備員や同行者にもけが人はいなかった。ワチラロンコン国王自身は訴える気はなかったとされるが、「国王に向けて銃を発射」という行為自体を重く見たタイ側の警備陣がその後警察に届け出たという。

BB弾がその場にいた誰かに当たったのか、何発発射されたのか、相手がタイ国王であることを少年らは知っていたのかなどの詳細はいずれも不明だ。

地元バイエルン州検察局は地元紙に対し、けが人はいないものの人に対してモデルガンの弾を発射していることから傷害未遂事件として捜査していることを明らかにしている。容疑者2人のうち13歳の少年はドイツの法律で責任能力が問えないため14歳の少年だけを調べているという。

撃った相手がタイ国王あることと捜査はあくまで無関係であると強調、タイ側からの圧力を否定している。

厳然と存在する王室への不敬罪

昨年10月のプミポン国王の死去を受けて後継国王となったワチラロンコン国王だが、ミュンヘン南西のスターンバーグ湖畔にあるタイ王室所有の豪華な別荘で過ごすことが多い。同別荘を巡ってはプミポン国王死去でタイ王室に巨額の相続税が地元税務当局から請求されているもののタイ側、ドイツ側も細かいことに関してはノーコメントを貫いている。

ワチラロンコン国王に関しては上半身の入れ墨、2度の離婚、若い女性とのスキャンダル、愛犬への異常愛(犬に空軍の階級を授けた)、誕生日のパーティーで夫人だけ全裸での参加を強要などプライバシーに関する種々雑多な情報、報道が入り乱れている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、原油高リスクシナリオ下で27年インフレ率4

ワールド

日米首脳が会談、中東情勢が最大の焦点に 経済・防衛

ビジネス

米新規失業保険申請、8000件減の20.5万件 労

ワールド

米はイランガス田攻撃を認識、トランプ氏否定も=イス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 5
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 6
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 9
    トランプ暴走の余波で加熱するW杯「ボイコット論」..…
  • 10
    アメリカはまた「壊した後」を考えていない...イラク…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中