最新記事

ニュースデータ

働き盛りが読書しない日本に、やがて訪れる「思考停止」社会

2017年4月12日(水)17時00分
舞田敏彦(教育社会学者)

ちなみに今世紀以降、国民の読書実施率マップの色も、全体的に薄くなってきている。<図2>は、10歳以上の県民のうち過去1年間に趣味として読書をした人の割合を表した都道府県地図だ。

maita170412-chart02.jpg

全国的に「知の剥奪」が進んでいる、と言ったら言い過ぎだろうか。都市部で相対的に読書実施率が高いのは、書店や大きな図書館が多いからだろう。

国を挙げて、読書を推進する取組が進められているが、現実はこの通りだ。とりわけ働き盛りの層で読書離れが進んでいるのだから、モノ言わぬ労働者が増えていることが数値的に示されている。こうした現状のなかで、やりたい放題のブラック企業がはびこることになる。

【参考記事】書店という文化インフラが、この20年余りで半減した

まとまった分量(深み)のある本を読まず、スマホのネットニュースで短いタイトル(リード文)だけを見て、自分の考えを決めてしまう。モノを深く考えない国民が増えることは、政治の方向を誤らせることにも繋がるのではないか。

この傾向が次世代にも受け継がれるとしたら、甚だ恐ろしい。無知とは恐ろしいことで、知識を得るための学習は権利であることを子供たちに教え、政府は国民の学習権を保障する条件を整えなければならない。労働時間の短縮は、そのなかでも特に重要な項目の一つだ。

<資料:総務省『社会生活基本調査』

ニュース速報

ワールド

出入国時の顔認証義務付け、トランプ米政権が導入見送

ワールド

米大統領選、民主党ウォーレン氏の支持低下 8月以来

ビジネス

イタリア、独自の欧州銀行同盟案を提示へ=経済・財務

ビジネス

OPEC、日量50万バレル減産拡大で合意 拡大会合

MAGAZINE

特集:仮想通貨ウォーズ

2019-12・10号(12/ 3発売)

ビットコインに続く新たな仮想通貨が続々と誕生── 「ドル一辺倒」に代わる次の金融システムの姿とは

人気ランキング

  • 1

    日米から孤立する文在寅に中国が突き付ける「脅迫状」

  • 2

    食肉市場に出回るペット 出荷前には無理やり泥水を流し込み...

  • 3

    文在寅の経済政策失敗で格差拡大 韓国「泥スプーン」組の絶望

  • 4

    韓国保守派のホープを直撃した娘の不祥事

  • 5

    5G通信が気象衛星に干渉し、天気予報の精度を40年前…

  • 6

    鳩山元首相「香港人権法」を批判 習近平と会見も

  • 7

    ヘアカラーと縮毛矯正に潜む乳がん発症リスク

  • 8

    『鬼滅の刃』のイスラム教「音声使用」が完全アウト…

  • 9

    人間はネコの表情を読み取れるか? あなたも試せる..…

  • 10

    中学以降も電卓を使わせない日本の遅れた数学教育

  • 1

    「日本の空軍力に追いつけない」アメリカとの亀裂で韓国から悲鳴が

  • 2

    日米から孤立する文在寅に中国が突き付ける「脅迫状」

  • 3

    食肉市場に出回るペット 出荷前には無理やり泥水を流し込み...

  • 4

    文在寅大統領は何がしたいのか、なぜ韓国はGSOMIAで…

  • 5

    「反韓」ではなく「嫌韓」なのはなぜ?

  • 6

    文在寅の経済政策失敗で格差拡大 韓国「泥スプーン」…

  • 7

    韓国ボイコットジャパンは競馬にまで 「コリアカップ…

  • 8

    韓国保守派のホープを直撃した娘の不祥事

  • 9

    5G通信が気象衛星に干渉し、天気予報の精度を40年前…

  • 10

    中曽根政権の5年間で日本経済は失われた

  • 1

    「愚かな決定」「偏狭なミス」米専門家らが韓国批判の大合唱

  • 2

    「日本の空軍力に追いつけない」アメリカとの亀裂で韓国から悲鳴が

  • 3

    元「KARA」のク・ハラ死去でリベンジポルノ疑惑の元恋人バッシング

  • 4

    「韓国は腹立ちまぎれに自害した」アメリカから見たG…

  • 5

    「アメリカは韓国の味方をしない」日韓対立で米高官…

  • 6

    GSOMIA失効と韓国の「右往左往」

  • 7

    GSOMIA継続しても日韓早くも軋轢 韓国「日本謝罪」発…

  • 8

    何が狙いか、土壇場でGSOMIAを延長した韓国の皮算用

  • 9

    日米から孤立する文在寅に中国が突き付ける「脅迫状」

  • 10

    トランプが日本に突き付けた「思いやり予算」4倍の請…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年12月
  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月