最新記事

アメリカ社会

レギンスパンツで搭乗は不適切? ユナイテッド航空の「塩対応」が大炎上

2017年3月28日(火)16時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

実はレギンス問題は今に始まったことではない。アメリカでは「体のラインが目立ちすぎる」という理由から、10代の少女のレギンス着用がしばしば論争を起こしていた。ABCニュースによれば、2013年にカリフォルニア州のある中学校で「男子生徒の気が散る」という理由で、女子生徒にレギンス禁止令が出たことで本格的に問題視され始めた。

しかし今回、デンバー空港で置き去りにされたのは10歳の女の子。遊ぶことが仕事と言っても過言でない育ち盛りの子どもにとって、動きやすいレギンスは少なくとも不適切ではない。

ユナイテッド航空が「不適切な服装」を具体的に明記せずとも、レギンス着用者全員を不適切と判断するのであればまだ納得できるが、そうではないらしい。有名ブロガーのチャールズ・クライマーによれば、レギンスやヨガパンツを履いた男性は、子供でも大人でも搭乗できたという。


加速する炎上にユナイテッドはこう出た

多くの有名人がコメントを寄せるなか、特に怒り心頭の様子だったのが女優のパトリシア・アークエット。2015年に『6才のボクが、大人になるまで。』でアカデミー助演女優賞に輝いた彼女は、同賞の受賞スピーチで男女の賃金格差是正を訴えたことで知られる。「搭乗客のうち少なくとも半分を不愉快にさせてるって理解してる?」と辛辣なツイートをした。

毒舌なことで知られるコメディエンヌで女優のサラ・シルバーマンは、搭乗予定のユナイテッド航空の便を他の航空会社に変更すると宣言。


事態の終息を図りたいユナイテッド航空は27日、自社HPにお知らせを掲載。「レギンス大歓迎!」と呼びかけた。


しかしユナイテッド航空は、世間が批判したポイントを理解できていなかったようだ。レギンス大歓迎なのは、あくまで通常利用客に限定したまま、ユナイテッド・パスを利用する「不適切」な服装の搭乗者については姿勢を変えていない。絶妙にかみ合わないユナイテッド航空の発表に、ワッツも思わず本音でツイートしてしまったようだ。

「惜しいわユナイテッド... 残念」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:トリプル安の東京市場、政局が端緒 リスク

ビジネス

EU、ステーブルコイン規制の抜け穴ふさぐべき=EC

ワールド

ロ朝首脳が会談、派兵にプーチン大統領謝意 支援継続

ビジネス

アングル:9月FOMC、米労働市場の解釈巡り議論白
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 4
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 5
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 6
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 7
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中