最新記事

日米安保

安倍首相「尖閣は安保対象と確認」 日米対話強化で新枠組み協議へ

2017年2月11日(土)08時09分

2月11日、安倍晋三首相(写真左)は、トランプ米大統領と記者会見に臨んだ。ホワイトハウスで10日撮影(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

米国訪問中の安倍晋三首相は現地時間10日、ワシントンでのトランプ大統領との首脳会談後に記者会見し、両国が関係強化への対話を続けるため、麻生太郎副総理とペンス副大統領のもとに新たな協議の枠組みを設けることで合意したと述べた。

安全保障については、尖閣諸島が米国の対日防衛義務を定めた安全保障条約第5条の適用対象であることを両首脳が確認した。

日米首脳会談はトランプ大統領の就任後では初めて。首相は冒頭、公職経験のないトランプ氏が厳しい選挙戦を勝ち抜いて就任した点に触れ、「これこそ民主主義のダイナミズムだ」と称えた。

経済・通商関係について、首相は日本企業による米国での雇用面での貢献を強調。「互いに利益をもたらす経済関係を日米は構築してきた」と指摘した。米国は環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を表明済みだが、安倍首相はアジア太平洋地域における自由で公正なマーケットを「日米両国のリーダーシップのもとで作り上げていくとの意思を確認した」と述べた。

萩生田光一官房副長官によると、首脳会談ではトランプ氏から2国間貿易協定の要請はなかったという。

日米両政府は今後、通商や貿易に加え、金融・財政政策、インフラやエネルギーなど幅広い分野について、麻生副総理とペンス副大統領のもとで協議を進めることで合意した。

首相はまた、為替に関して「専門家たる日米財務相間で緊密な議論を継続させていく」とした。会談中、首脳間で「為替を巡るやり取りはなかった」(萩生田副長官)という。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 4

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、…

  • 5

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 9

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 10

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中