最新記事

日本経済,

プレミアムフライデー24日から開始 ソフトバンクは支援金も

2017年2月21日(火)14時55分

「プレミアムフライデー」に同調しない企業でも、独自に「働き方改革」に取り組んできた例もある。早くから改革を推進してきた味の素 <2802.T>は、17日に発表した中期計画のなかで、年間平均労働時間の短縮を盛り込んだ。会議のあり方の見直しやテレワークを活用し、16年見込みの1900時間から20年度までに1800時間に引き下げる。

キャンペーン効果、なお未知数

ただ、キャンペーンの盛り上がりがどこまで広がるかは未知数だ。積極的に賛同している企業がある一方で、カルチュア・コンビニエンス・クラブが1603人を対象にインターネットで調査したところによると、自社の職場がプレミアムフライデーを導入すると答えた人は3.4%に過ぎなかったという。

SMBC日興証券では、労働時間減少によるGDP押し下げ効果と、生産性上昇や消費増に伴うGDP押し上げ効果があると指摘。このうち、消費拡大効果だけを見ると、年間で最大635億円程度とみている。同社は、プレミアムフライデーの恩恵を受けるのは、全就業者数のうち最大でも6.5%程度と試算する。

早い時間で退社しても、消費に結び付くとは限らないほか、非正規雇用では、労働時間の短縮が収入減に直結するという課題もある。サントリーホールディングスの相場康則副社長はキックオフイベントで「間違いなく消費は増える」と期待感を示したが、消費するには時間とお金の両方が必要だ。

ソフトバンクの宮内社長は「支援金で勉強するもよし、お酒を飲むのもよし。消費拡大につなげてもらいたい」と語ったが、働き方改革を金銭面でサポートする企業はまだ少数派だ。制度として広がりを見せるかどうかは、しばらく時間が必要となりそうだ。

(清水律子 取材協力:志田義寧)

[東京 21日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア西部2州で橋崩落、列車脱線し7人死亡 ウクラ

ビジネス

インフレ鈍化「救い」、先行きリスクも PCE巡りS

ワールド

韓国輸出、5月は前年比-1.3% 米中向けが大幅に

ワールド

米の鉄鋼関税引き上げ、EUが批判 「報復の用意」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    メーガン妃は「お辞儀」したのか?...シャーロット王…
  • 8
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 9
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 3
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 4
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 6
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中