最新記事

ワークプレイス

講義室をなくし、「反転授業」を実践するエンジニア教育再生の拠点

2017年1月20日(金)17時58分
WORKSIGHT

wsYork_10.jpg

土木関連の様々な実験を行うためのウェットラボ。

wsYork_11.jpg

ワークショップルームの壁はガレージドアになっており、大きな機械や荷物の搬入出も容易だ。

wsYork_12.jpg

主に機械工学の学生たちが使うメカニカルワークショップ。大学間で競うマーズ・ローバー・チャレンジ(火星探査機コンテスト)などに出品するロボットやソーラーカーの開発が行われている。地下の施設だが、天窓から自然光が入るつくりだ。

ラソンドでエンジニア教育の新しい姿を見たい

 ラソンドを収容する建物は、暗くなると雲が宙に浮かんでいるように見えることから「floating cloud of knowledge(ふわふわ浮かぶ知識の雲)」と呼ばれている。

 その隣には「コクーン(繭)」と名付けられた学生アントレプレナーを対象にしたビルが建設予定。将来的には生物工学、化学工学を教えるスペースとリサーチセンターを同じビルの中に作り、ラソンドのエンジニア教育の領域をさらに広げていく構想もある。

「これらを実現するためには多くの資金が必要ですが、私たちは政府、大学、個人からの寄付に恵まれています。これまでの経験からわかったのは、寄付者は新しいアイデア、今までとは違うもの、自分が信じられるものに資金を出してくれるということです。ラソンドは人の心に響くことをやっている。みながエンジニア教育の新しい姿を見たいと願っているのです」(コジンスキー氏)

創設:2012年
学生数:約2000人
教職員数:約200人
http://lassonde.yorku.ca

コンサルティング(ワークスタイル):自社―コンサルティングはHerman MillerとSteelcase partners
インテリア設計:ZAS
建築設計:ZAS

WORKSIGHT 09(2016.4)より

text: Yusuke Higashi
photo: Kazuhiro Shiraishi

wsYork_13.jpg

「Student Welcome and Support Center」。学問的な疑問から住居や経済的問題までワンストップで学生をサポートする。

wsYork_14.jpg

教職員スペース。「壇上から教える」のではなく「ともに考える」反転授業を実践している大学にふさわしい、オープンかつカジュアルな雰囲気。

wsYork_15.jpg

(左)ラソンド・スクール・オブ・エンジニアリング学部長、ジャヌス・コジンスキー(右)ZASアーキテクト、コスタス・カツァラ

※当記事はWORKSIGHTの提供記事です
wslogo200.jpg


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米消費者信用リスク、Z世代中心に悪化 学生ローンが

ビジネス

米財務長官「ブラード氏と良い話し合い」、次期FRB

ワールド

米・カタール、防衛協力強化協定とりまとめ近い ルビ

ビジネス

TikTok巡り19日の首脳会談で最終合意=米財務
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く締まった体幹は「横」で決まる【レッグレイズ編】
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 6
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中