最新記事

メディア

偽ニュース、小児性愛、ヒラリー、銃撃...ピザゲートとは何か

2016年12月8日(木)06時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 ワシントン・ポストによれば、#pizzagateというハッシュタグがツイッターに最初に現れたのは11月7日だ。その後の数週間、1日に何十万ものツイートが出回ったという。そのうちの異様なほど不釣り合いな分量がチェコやキプロス、ベトナムといった第三国からのツイートで、ボット(自動操作プログラム)も多かったと、米イーロン大学のジョナサン・オルブライト准教授は同紙の取材に答えている。

「コメット・ピンポン」のアレファンティスは噂を強く否定していたが、彼や従業員に対するネット上での嫌がらせ、脅迫は続いた。そして12月4日、デマに触発されて銃撃事件が起こった。

トランプ政権移行陣営から「ピザゲート」発言

 事件の余波で1人、トランプの政権移行チームから離脱者が出た。4日の銃撃事件の後、「ピザゲートが嘘だと証明されるまで、この説は話題になり続ける」とツイッターに投稿したマイケル・フリン(33)だ。解雇されたのか辞任したのかは報道が錯綜しているが、6日に職を辞したとBBC は報じた。

 彼の父親は、トランプが大統領補佐官(国家安全保障問題担当)への起用を発表した退役陸軍中将のマイケル・フリン元国防情報局(DIA)局長(57)。父親のフリン中将は事件について発言していないが、大統領選中の11月2日には次のようにツイートしていた。「自分で判断してほしい。ニューヨーク市警が新しいヒラリー・メールに関して告発。マネーロンダリング(資金洗浄)、子供との性犯罪など...必読だ!」

 偽ニュース問題は尾を引き、これから主要な選挙の続くヨーロッパで特に警戒されているが、アメリカでもまだ終わりではない。トランプ次期政権への影響は息子のフリンだけで済むのか、果てはこれ以上の発展があるのか。ただ確実なのは、一度盛り上がった陰謀論は、いかに荒唐無稽なものでも、あるいはいかに論破されていても、信じ続ける人がずっといるということだ。

【参考記事】偽ニュース問題、米大統領選は始まりに過ぎない?

 アポロ11号の月面着陸は嘘だった、地球にはすでに宇宙人が到来している、9.11同時多発テロは米政府の自作自演だった......。偽ニュースとSNSが生み出した「ピザゲート」が、こうした陰謀論の仲間入りを果たし、ずっと語られ続けていく可能性はゼロではない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米政権が刑事訴追警告とパウエル氏、利下げ圧力強化の

ワールド

米、重要鉱物の中国依存巡り迅速な対策要請へ G7な

ワールド

イラン抗議デモで死者500人超、トランプ氏「強力な

ワールド

トランプ氏、ベネズエラ石油収入の差し押さえ阻止へ大
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 4
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 10
    決死の嘘が救ったクリムトの肖像画 ──ナチスの迫害を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 10
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中