最新記事

アメリカ経済

ウォール街はトランプ景気に沸く ダウ終値が連日最高値更新

2016年11月12日(土)11時29分

11月11日、米株はダウ終値で連日過去最高値を更新、週間では2011年以来の高い伸びとなった。写真はニューヨーク証券取引所のトレーディングフロアの様子。前日撮影。(2016年 ロイター/ Brendan McDermid)


トランプ次期大統領による金融セクターなどでの規制簡素化やインフラ投資拡大などへの期待から、S&P500金融株<.SPSY>は過去3日で8%上昇と、2008年以来の大幅な伸びを記録。S&P工業株<.SPLRCI>は5%、S&Pヘルスケア<.SPXHC>も3%上昇した。

 ダウ<.DJI>は週足で5.4%上昇と、2011年以来の高い伸びを記録。S&P総合500種<.SPX>も3.8%高と、2年ぶりの大幅高となった。

 リッジウォース・インベストメンツのアラン・ゲイル氏は「ここ数日市場で広がっていた楽観的なトーンが裏打ちされるかどうかを見極めようと、(トランプ氏による)人事や政策が注視されている」と語った。

 ナスダック・バイオテク株<.NBI>はこの日0.64%低下したものの、週間では10%高と、2000年以来の強い伸びとなった。

 フィッシャー米連邦準備理事会(FRB)副議長はこの日、米経済の見通しはFRBが緩やかな利上げを進めるのに十分力強いとの認識を示しつつも、米長期金利の上昇を注視していると語り、株式相場に漂う強気なセンチメントを幾分冷やす格好となった。

 個別銘柄では、半導体大手エヌビディアが30%急騰し、ナスダック総合<.IXIC>押し上げに寄与した。四半期売上高が約6年ぶりの大幅増になったことを好感した。

 娯楽大手ウォルト・ディスニーは2.86%高。2017年度の1株利益は小幅増、2018年度およびそれ以降は「一段と大幅な伸び」になると予想し、業績見通しをめぐる投資家の不安を和らげた。バークレイズは投資判断を「アンダーウエート」から「イコールウエート」に引き上げた。

 騰落銘柄数は、ニューヨーク証券取引所では上げ銘柄が下げ銘柄を上回り、比率は1.16対1。ナスダックも2.36対1で上げが下げを上回った。

 米取引所の合算出来高は約96億株で、直近20営業日の平均である75億株を上回った。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 18847.66 +39.78 +0.21 18781.65 18855.78 18736.96 <.DJI>

前営業日終値 18807.88

ナスダック総合 5237.11 +28.32 +0.54 5191.82 5241.08 5179.64 <.IXIC>

前営業日終値 5208.80

S&P総合500種 2164.45 -3.03 -0.14 2162.71 2165.92 2152.49 <.SPX>

前営業日終値 2167.48

ダウ輸送株20種 8578.65 +22.05 +0.26 <.DJT>

ダウ公共株15種 627.82 -2.36 -0.37 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 837.24 +31.15 +3.86 <.SOX>

VIX指数 14.17 -0.57 -3.87 <.VIX>

S&P一般消費財 633.21 +4.03 +0.64 <.SPLRCD>

S&P素材 301.58 -4.02 -1.32 <.SPLRCM>

S&P工業 526.73 +1.51 +0.29 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 517.80 -0.83 -0.16 <.SPLRCS>

S&P金融 359.43 +1.39 +0.39 <.SPSY>

S&P不動産 180.92 +0.25 +0.14 <.SPLRCREC>

S&Pエネルギー 511.21 -8.62 -1.66 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 813.91 -12.35 -1.49 <.SPXHC>

S&P電気通信サービス 154.10 -0.14 -0.09 <.SPLRCL>

S&P情報技術 788.69 +3.72 +0.47 <.SPLRCT>

S&P公益事業 233.27 -0.90 -0.38 <.SPLRCU>

NYSE出来高 11.73億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 17440 + 40 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物12月限 円建て 17420 + 20 大阪比 <0#NIY:>

[ニューヨーク 11日 ロイター]]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、8月下旬から少なくとも8200万ドルの

ビジネス

クーグラー元FRB理事、辞任前に倫理規定に抵触する

ビジネス

米ヘッジファンド、7─9月期にマグニフィセント7へ

ワールド

アングル:気候変動で加速する浸食被害、バングラ住民
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 3
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...その正体は身近な「あの生き物」
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 7
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    「腫れ上がっている」「静脈が浮き...」 プーチンの…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中