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リーダーシップ

頭が良すぎるリーダーの、傲慢で独りよがりな4つの悪い癖

2016年9月5日(月)18時42分
マーシャル・ゴールドスミス ※編集・企画:情報工場

2.自分が「正しい」と言い張る

「スーパー・スマート」な人々は、自分が同意できない話をおとなしく聞くのが苦手だ。どうしても相手が間違っていると指摘したくなるからだ。相手が反論してきた時にはすかさず「相手が間違っている」と決めつける。

 私が一緒に仕事をした中に、ジョーンズという「スーパー・スマート」な科学者がいた。彼は大会社の研究開発部門のリーダーを務めていた。彼は非常に正直だった。しかし反面、とても無遠慮なところがあった。誰かが彼との「論争」に挑んだ時には、相手の間違いを徹底的に追及し、恥をかかせるのが常だった。

 そう、彼はいつでも正しかった。ひどい間違いを犯すまでは。ジョーンズは、会社のある意思決定を積極的に支持した。だがその判断は誤りだった。結果として会社の株式の時価総額を100億ドル以上減らすという大損害につながったのだ。

 事件の後、ジョーンズの部下だった科学者数名が会社から事情を聞かれた。それによると彼らはプロジェクトについていくつか疑問をもっていたが、それを上司にあげることはなかった。なぜって? ジョーンズが正しいと確信しているからにはそれは正しいと、彼らは思い込まざるを得なかったからだ。彼らは疑問をもったとしても、上司に論争を挑んだ結果、恥をかかされたくなかったのだ。

3.「そんなことは知っている」と言う

 頭の良い人にとって、既知のことに話が及んだ時に、それをおとなしく聞いているのは非常に難しいことなのだろう。どうしてもこう口をはさみたくなる。「そんなことは知っているよ」

 頭の良い人たちは、他人の言うことに同意した時、なぜか頭に「No(いいや)」をつけて反応する。「No, I agree with you(いや、君に賛成だ)」「No, I think that is fantastic !(いや、それは素敵だ!)」といった具合に。どうして彼らは「Yes, I agree with you」と言えないのだろう?

 この「No」が意味するのは「もちろん私は君に賛成だ。だって、そんなことは私にはすでにわかっているんだから」ということだ。もちろんそんなことは口には出さないし意識もしていないかもしれない。「スーパー・スマート」リーダーはそれで、アイデアへの賞賛の意が伝わると思っているのだろう。しかし「No」という言葉は当然ネガティブな印象を与えるし、賞賛の気持ちを振り払ってしまう。残るのは、「この世に自分が最初に思いつかないアイデアなどない」という傲慢な考えだ。

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