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英EU離脱

「イギリスはEUで特別な地位獲得の可能性も」独閣僚が早期の交渉を求める

2016年8月17日(水)10時44分

8月16日、ドイツのミヒャエル・ロート欧州担当相は、英国がEUとの関係で「特別な地位」を獲得する可能性があると示唆した。写真はニューヨークで昨年1月撮影(2016年 ロイター/Brendan McDermid)

 ドイツのミヒャエル・ロート欧州担当相は16日、英国が欧州連合(EU)との関係において「特別な地位」を獲得する可能性があることを示唆した。一方で、EUとの関係を決める正式な交渉を来年初めにも始めるよう英国に求めた。ロイター通信のインタビューに応じた。

 英メディアは前週末、英国がEU離脱の正式な手続きを来年後半まで延期する可能性があると報道した。メイ首相のスポークスマンは15日、年末までに手続きを開始することはないと述べた。

 これについて、ロート氏は「態勢を整え新しい状況に適応するためには、年末まであれば十分なはずだ」と述べ「あまり時間をかけすぎない方が良い」と付け加えた。

 EU各国は、英国が正式な離脱手続きをする前に、今後の関係について駆け引きに出ることを許さない考えだ。

 メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)と連立を組む第2党の社会民主党(SPD)のメンバーであるロート氏は、英国がEU基本条約(リスボン条約)の第50条を発動して正式な離脱通知をするまで、正式な交渉は始まらないと強調した。英国には第50条発動からEU離脱まで2年間の期間が与えられる。

 ロート氏は2019年の欧州議会選挙までの2年間で交渉を完了させることは可能だと述べた。「これをごまかすことはできない。望んでいた結果ではないが、英国のEU離脱(ブレグジット)派が勝ったのだ。勝ったからには次の欧州議会に英国のメンバーが参加することは認められない」とした。

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