最新記事

米銃産業

史上最悪フロリダ銃乱射事件に使われた人気ライフル

2016年6月28日(火)19時00分
エリック・マーコウィッツ

 だが、この間成長したのはシグ・ザウエルだけではない。銃器大手のスミス&ウェッソンのマイク・ゴールデンCEOは2006年6月、投資家向けの説明会で、同社の新型ライフルに対する「消費者の反応は非常に強く」、銃器産業における「ドル箱」になっていると述べた。

 2015年に登場したシグ・ザウエルMCXは、ひときわ大きな称賛をもって市場に迎えられた。MCXはミリタリースタイルの半自動式小銃で、デザインも洗練されている。つや消しブラックで仕上げられており、軽量だ。

 MCXはYouTube上で広告動画が数多く再生されるなど、インターネット上で大々的に宣伝されている。銃を持った男が戦場のような場所を横切りながらMCXで様々なターゲットを射撃する設定の動画もある。

撃つ喜び

 MCXはデザインや組み立ての容易さ、使い易さといった点で、銃マニアからも絶賛されている。マイク・シアソンはウェブサイト「アンモランド」で、シグ・サヴァーMCXライフルは「銃器メーカーが製造した歴代で最高に組み立てやすいライフル銃」と評価した。ウェブサイト「銃に関する真実」のブロガー、ニック・レゴムはMCXについて「とにかくしっくりくる」と書いだ。「銃を持ったときのバランスが良く狙いを定めやすい。作動部品は反応が早く丈夫で、撃つと本当に気持ちがいい」

 シグ・ザウアーで指揮を執り始めてすぐの2004年、コーエンはマーケティングの統括者としてバド・フィニを新たに雇い入れ、ブランドやマーケティング部門を監督させた。当時役員だったプレジャーによると、フィニは消費者市場でシグ・ザウアーの新たなブランド価値を確立する術を知っていたと、その力量を認める。

「フィニはマーケティング戦略を大きく転換させた。より優れたスローガンとモットーを生み出すなど素晴らしい仕事ぶりだった」。同社のウェブサイトでは、MCXを「戦闘用に開発された革新的な武器システム」と表現している。一般人向けには2000ドル以下で販売されている。

 フィニもコーエンも取材に応じなかった。だがフィニは2013年、ラジオ番組のインタビューで戦略の成功について「この5~7年間は自分たちでも驚くほど上手くいった」と語り、2011年と2013年にニューハンプシャー州にある製造工場の敷地を2倍に拡大したと言及。事業の成長を後押ししたのは主にライフルの売り上げ増によると語っていた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:イラン攻撃に踏み切ったトランプ氏、外交政

ワールド

イラン情勢、木原官房長官「石油需給に直ちに影響との

ワールド

茂木外相、「核兵器開発は決して許されない」 米攻撃

ワールド

米・イスラエルがイランに大規模攻撃、体制転換視野に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 2
    「努力が未来を重くするなら、壊せばいい」──YOSHIKIが語った創作と人生の覚悟
  • 3
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作曲家が「惨めでもいいじゃないか」と語る理由
  • 4
    【クイズ】世界で最も「一人旅が危険な国」ランキン…
  • 5
    ウクライナが国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア軍…
  • 6
    がん治療の限界を突破する「細菌兵器」は、がんを「…
  • 7
    【クイズ】サメによる襲撃事件が最も多い国はどこ?
  • 8
    トランプがイランを攻撃する日
  • 9
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 10
    インフレ直撃で貯蓄が消える...アメリカ人の54%が「…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 8
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 9
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 10
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中