最新記事

企業

「カリスマ」鈴木会長退任で揺れるセブンHD、新体制の方向見えず

2016年4月10日(日)13時47分

 多くの人が指摘するのは、好調な業績を収め、グループ拡大のけん引役ともなっていたセブンイレブンのトップを交代させるに十分な理由がなかったという点だ。

 西山氏(訂正)は、経営トップの選出や解任をガバナンスの最重要テーマとしたうえで「トップを変えるには納得できるような理由が必要。上場会社である以上、合理的な説明ができなければならない」とする。

 鈴木会長による井阪社長交代の動きをけん制していた米ファンドのサード・ポイントは7日深夜、ダニエル・ローブ代表が「7&iHDの取締役会が実績と株主の最善の利益に基づき選考したことを嬉しく思う」とのコメントを発表。「日本の将来にコミットしている投資家として、7&iHDのコーポレート・ガバナンスが、安倍晋三首相が進める第3の矢に沿って進化を遂げたことを大変喜ばしく思う」と強調した。

混乱の早期収拾は可能か

「戦略なしの暴走としか言いようがない」。流通業界に詳しいプリモリサーチジャパンの鈴木孝之代表は、同会長の辞意表明に手厳しい。「責任を取って辞めるのは潔さそうに見える」ものの、内外ともに認める後継者がない現状では、混乱するメッセージとしかならない、という指摘だ。

 同社の今後に影を落とす大きな不安は、セブンイレブンの生みの親である鈴木会長と祖業であるイトーヨーカ堂を創業した伊藤雅俊名誉会長との確執だ。今回の人事騒動では、その対立が表面化し、取締役会でも票が割れた。社内がひとつにまとまることができるかは、今後の体制作りにとって重要な問題。ある市場関係者は「社内でのさらなる混乱が表に出るようだと、業績や株価にも悪影響を及ぼしかねない」と懸念を示す。

 7日の会見では、鈴木会長と村田社長の他に2名の顧問が同席。井阪社長の交代の際に、同社顧問が井阪氏の父親を訪ねたり、「伊藤名誉会長の部屋と鈴木会長の部屋を行ったり来たりする役柄」(後藤光男顧問)などという、「長老」に左右される同社の古い体質も浮き彫りになった。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

AIは雇用をむしろ創出か、現時点で破壊に至らず=E

ワールド

中国、26年経済成長目標を4.5─5%に設定 財政

ワールド

中国、2026年国防費は7%増に 前年から小幅減速

ビジネス

アップル、低価格「MacBook Neo」発表 ク
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 10
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 9
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中