最新記事

テロ

パリ同時多発テロ攻撃、多国籍が絡んだ犯行=検察

欧州へ大量に流入する難民問題についても議論が再燃するか

2015年11月15日(日)12時33分

11月14日、フランスのパリで13日発生した同時攻撃について同国の検察当局は、3つのグループを形成し連携して行った犯行との見解を示した。中東、ベルギー、ドイツなど多国籍が絡んだ組織が関与したとみている。写真は襲撃を受けたレストラン前で犠牲者を追悼する男性(2015年 ロイター/Christian Hartman)

 フランスの首都パリで13日発生した同時多発攻撃について同国の検察当局は14日、3つのグループを形成し連携して行った犯行との見解を示した。

 国境をまたいだ捜査が進むなか、検察当局は今回の事件について、フランス国内のほか、中東、ベルギー、ドイツなど多国籍が絡んだ組織が関与したとみている。

 オランド大統領は過激派組織「イスラム国」による「戦争行為」だと非難。イスラム国は犯行声明を出し、攻撃はフランスの軍事行動に対する報復だと表明。パリ中心部の各地に爆弾ベルトを身に着けたり、マシンガンを携帯したりした戦闘員を送り込んだとしている。

 フランスは米国とともにシリアやイラクで、イスラム国への空爆に参加している。

 今回の事件は13日夜、銃撃や爆弾によるレストラン、コンサートホール、スタジアムなどへの複数の襲撃がパリ市内各地でほぼ同時に発生。検察当局によると、129人が死亡、352人の負傷者が出ており、このうち99人が重体という。犯人のうち6人は自爆し、1人は警官に射殺された。8人目の実行犯がいるという情報もあるが、確認されていない。

 オランド大統領は、フランス全土に非常事態を宣言し、警官隊を路上に配備。犠牲者を追悼するため国を挙げて3日間、喪に服す方針を示した。

 ベルギー検察当局によると、パリの事件現場の1カ所で付近にあった車の捜査に絡んで同国で3人が逮捕された。一連の攻撃に使用された2台の車のうちの1台という。

 また関係筋によると、死亡した犯人のうち1人はイスラム過激派と関連のあるフランス人で、当局が監視していた。

 ドイツ南部のバイエルン州で今月、銃や爆発物を車内に所持していたとして逮捕された男も、今回の事件への関与が疑われている。

 またギリシャ政府筋によると、犯人の1人あるいは2人が、シリアからの難民と共にトルコからギリシャを通過した可能性があるとしている。

 今回の事件を受けて、シリアやイラク、リビアなどの内戦を背景に欧州へ大量に流入する難民の問題をめぐる議論が高まるとみられる。

*関連グラフィック: http://reut.rs/1McDcF9

[パリ 14日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 5
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 6
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」…
  • 7
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 10
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 9
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 10
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中