最新記事

アフガニスタン

米軍のアフガン駐留を中国が望む理由

2014年4月10日(木)15時16分
シャノン・ティージ

 マンスールはパキスタンのアフガン国境に近いところで活動中と伝えられている。両国のタリバン勢力もウイグル族の分離独立派と協力し、その支援に回っているようだ。

 中国はテロ拡大懸念から対アフガン積極関与策へと傾いてきた。王毅(ワン・イー)外相は最近の記者会見で、「アフガニスタンの平和と安定は中国西部の治安に直接影響する」と述べた。

 王によると、中国は「国際社会と協力してアフガニスタンで政治的な和解を促し、和平と復興の努力を支援しながら地域間協力への関与を奨励する」。年内には域内で信頼協力関係を醸成するための閣僚級会合を中国が主催する予定だ。

 冬季五輪のために訪れたソチでカルザイと会談した習近平(シー・チーピン)国家主席は、アフガニスタン復興に向けて経済支援を約束した。特に人材育成で協力できると強調している。王も2月に首都カブールを訪れ、「軍と警察への訓練および物資面での支援」を申し出た。インフラ整備やエネルギー関連の投資の可能性にも言及している。

 ただ、中国がいくら治安問題を憂慮していると言っても、中国軍が米軍の代わりになるかどうかは定かではない。かねてからアメリカの覇権主義や封じ込め政策を懸念してきた中国だが、アフガニスタンでは米軍に残留してもらいたいのだ。

 政治経済の面でアフガニスタンと効果的な協力をするには、中国にとっても米軍のプレゼンスが欠かせない。

From thediplomat.com

[2014年4月 8日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

フィッチ、インドネシア見通し「ネガティブ」に下げ 

ワールド

イラン軍艦がスリランカ沖で沈没、32人救助 遺体を

ワールド

中国政協開幕、軍トップ張氏ら政治局員2人が姿見せず

ビジネス

スイス中銀、為替介入意欲が高まる=副総裁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 6
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 10
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中