最新記事

北欧

ロシアの次の標的はフィンランドか

フィンランドとの国境付近で軍事演習を行ったプーチンのフィンランドへの想いを元側近が代弁?

2014年4月1日(火)15時48分
ジョシュア・キーティング

杞憂 プーチンがフィンランドへ侵攻するのは考えにくい RIA Novosti-Reuters

 ロシア空軍がフィンランド国境近くで軍事演習を行ったことが報じられる中、ウラジミール・プーチン大統領の元側近によるコメントが注目された。コメントは、プーチンがフィンランドを次の標的と定めているという恐怖心を煽るものだった。ロシア専門家らは米テレビ局で、この意見を直ちに否定して、ロシアがフィンランドに侵攻することは絶対にないだろうと語った。

 コメントをしたのは、プーチンの元経済顧問だったアンドレイ・イラリオノフ。イラリオノフは30日、スウェーデンの地元紙スベンスカ・ダグブラデットに、「プーチンの見方は、彼と彼の前任者たちに属していたものを守るというものだ」と語った。「属していたもの」の中にはフィンランドやバルト諸国が含まれる。イラリオノフは、1917年にフィンランドに独立を与えたことがプーチンの認識では「国家の利害に対する背信」行為だろうと語っている。英インディペンデント紙がこれを報じると、このコメントは急速に知れ渡った。

 だが覚えておく必要があるのは、イラリオノフが「プーチンの顧問」だったのはもはや10年ほど前のことだということ。05年に、ロシアは「もう民主的な国ではない」と言いながら怒り心頭のまま辞職し、現在はケイトー研究所に勤務している。言い換えれば、ロシア政府に恨みを持っており、プーチンの考えに直接接することはない。ロシアをG8から追い出すことについても、イラリオノフは06年からそうしたいと語ってきた。

 プーチンが自分の本音をイラリオノフに伝えることはまずないだろう。

関係が冷やかになるのは間違いない

 イラリオノフの警告は、直ちに起きる危険と言うより、将来的な脅威になりうるというものだ。フィンランドは「プーチンにとって今日明日の課題ではない」と、彼は語っている。それでも、「プーチンを止められないなら、この問題は遅かれ早かれ持ち上がるだろう」とも述べている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インド26年度予算案、製造業てこ入れ最優先 公共投

ワールド

米ロ・ウクライナ3者協議、4─5日にアブダビで ゼ

ワールド

インド、ベネズエラ産原油購入へ トランプ氏「すでに

ワールド

米テキサス州特別選挙、民主党のメネフィー氏が勝利
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 3
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 6
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    【銘柄】「大戸屋」「木曽路」も株価が上がる...外食…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中