最新記事

エアライン

CAは30歳以下の美人に限る航空戦略

女性キャビンアテンダントは30歳までに定年退職させるというアジアの航空会社の経営(?)戦略とは

2011年9月7日(水)16時38分
パトリック・ウィン

差別って何? 「30歳定年」でも、ノックエアのCAに採用されて大喜びする美女たち(YouTube) YouTube

 アジアの大半において、女性のキャビンアテンダント(客室乗務員、CA)は、ただ礼儀正しくて乱気流の中でもこぼさず飲み物を注げればいい、というわけではない。彼女たちには、男性誌のセクシーモデルばりの美貌まで要求される。

 ではCAを常に若い美人ぞろいにしておくため、航空会社はどんな手段をとっているのだろうか。

 答えは彼女たちを30歳までに「定年退職」させることだと、タイのバンコクポスト紙のビジネス特集記事は報じている。

 いつでも魅力あふれる女性CAを取り揃えていると胸を張るタイの格安航空会社ノックエアのCEOが同紙に語ったところによると、同社の女性キャビンアテンダントは30歳までに退職する。その後は別の航空会社に転職できるよう、会社が斡旋をするのだという。

 そうすれば彼女たちは、まだ十分魅力的な状態で他の航空会社に転職できる、と彼は言う。もちろん、ノックエアほどルックスの要求が高くない会社に、だ。この方針は「性差別とはまったく無関係で、マーケティングの問題だ」と彼は同紙に語った。

募集枠の100倍の美女が殺到

 この方針を知り、20代前半のタイ人女性たちが大挙してノックエアに押し掛けている......抗議のためではなく、採用試験を受けるためだ。

 最近の人員募集では、たった41人の枠に4000人の応募が殺到。喜びを爆発させる合格者たちの様子はYouTubeでも見ることができる。

 美を厳しく要求されることで、CAといえばセクシーという「社会的評価」はますます強固なものになっている。アジアのメロドラマで、恋のお相手やセクシーな性悪女にCAが多いことからもそれがうかがえる。

 すでに1980年代には、シンガポール航空が自社のCAに「シンガポール・ガール」のキャッチコピーをつけ、積極的に宣伝していた。当時のテレビCMでは、魅力的な若いCAが、フライトの合間にキャンドルの明かりを点し、出会いに思いをめぐらすように遠くをじっと見つめている。

GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ紛争、エスカレートさせないよう米に望む=

ビジネス

2%物価上昇まだ定着せず、持続的達成を日銀に期待=

ワールド

トランプ氏は「被害少女知っていた」と米富豪記述、資

ワールド

豪10月就業者数は予想以上に増加、失業率も低下 利
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 7
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 10
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中