最新記事

共和党

米ねじれ政治の救世主は次期下院議長?

新下院議長の最有力候補J・ベーナーは、超党派の合意をまとめる剛腕の持ち主

2010年11月4日(木)15時27分
アンドルー・ロマーノ、ダニエル・ストーン(ワシントン支局)

実務派 中間選挙後のアメリカ政治に欠かせない人材かも Jonathan Ernst/Getty Images

 オハイオ州選出のジョン・ベーナー下院議員は、人から嫌われるような人物には見えない。朗々としたソフトな声の持ち主で、ゴルフの腕前はなかなかのもの。酒好きで、愛想のいい男だ。

 現在の肩書は、下院共和党のナンバーワンである院内総務。11月の中間選挙で大方の予想どおり共和党が勝てば、下院議長に就く可能性が高い。民主党のバラク・オバマ大統領があと2年の任期を残すなかで、アメリカ政界で最も強い権力を持つ共和党員になる。

 しかしワシントンでは、「ベーナー下院議長」の誕生を誰も歓迎していないように見える。民主党は早くも、攻撃を始めている。オバマ大統領は9月8日にオハイオ州を訪れた際、45分間の演説で10回もベーナーを批判。リベラル系のニューヨーク・タイムズ紙は、ベーナーの「利益団体との密接な関係」を指摘した。

 一方、共和党内、とりわけティーパーティー(草の根の保守連合)系の人々の間にも批判的な声がある。9月12日にテレビ出演したベーナーが富裕層向け減税の見直しでオバマと妥協する意思があると語ると、保守派は激怒した。

「今回の失態を見る限り、ひのき舞台に立つ資質の持ち主なのか疑念を禁じ得ない」と、ウォールストリート・ジャーナル紙は指摘した。最近の世論調査によると、(現職の下院院内総務なのに)ベーナーが次期下院議長に就任することに反対、もしくは態度を決めかねている人は、共和党支持層の67%に達している。

 それでも、いまベーナーを批判している左右両派は、いずれこの男が余人をもって替え難い人材だと気付くだろう。ベーナーは、ホワイトハウスと議会を異なる政党が支配する時代のアメリカ政治に「必要な男」になりそうだ。

「最大の特徴は合意をまとめることにたけている点」だと、ベーナーの元広報担当である共和党の政治コンサルタント、ケビン・マッデンは言う。「あらゆる影響力を駆使して取引をまとめてみせる」(ベーナーはこの記事に関して本誌の取材を拒否)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

物価目標の実現「春にも」、緩やかとは言えない物価高

ワールド

米地裁、海軍出身上院議員の降格を差し止め 「懲罰は

ワールド

インドネシア大統領、無料給食継続 反対運動に「立ち

ビジネス

ドイツ銀、プライベートバンクで新興国人員拡充 最大
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベルの「若見え」な女性の写真にSNS震撼
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 7
    「ショックすぎる...」眉毛サロンで「衝撃的な大失敗…
  • 8
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中