トランプやマスクが目指す「人類の火星到達」の本当の実現度...彼らが見落とす宇宙旅行の「現実」とは?

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2025年5月15日(木)17時10分
ジョシュア・レット・ミラー(本誌調査報道担当)

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火星探査車パーシビアランス(イラスト) NASA/JPL-CALTECH, SPACE FRONTIERSーARCHIVE PHOTOSーHULTON

地球から火星までの距離が極めて遠いことも大きな難題を生む。平均すると地球から2億2500万キロ離れた軌道上を回っている火星との間を往復するには、ざっと3年かそれ以上の期間がかかる。それだけの長い期間を宇宙で過ごすことが宇宙飛行士にどのような影響を及ぼすかについてはまだ分かっていないことが多いと、ピッツは言う。

宇宙空間に長期間滞在することの影響は、NASAの宇宙飛行士ブッチ・ウィルモア(62)とサニ・ウィリアムズ(59)が今年3月18日に地球に帰還した際に浮き彫りになった。両飛行士は、想定外のトラブルが原因で国際宇宙ステーション(ISS)に9カ月間滞在していた。


この2人の宇宙飛行士には、宇宙滞在が人体に及ぼす5つの主要なリスクの影響がはっきり見て取れた。その5つのリスク要因とは、放射線、孤独と密閉状態、隔離、重力場、過酷もしくは閉鎖的な環境である。実際、宇宙空間で過ごすことが人体に及ぼす影響は大きい。宇宙空間で過ごすと1カ月に骨密度が約1%低下する。宇宙空間で骨密度と筋肉量を維持するには、毎日2時間程度の運動をしなくてはならない。

帰還したウィリアムズは、地球を出発したときに比べて髪がかなり白くなっていた。それに、ウィリアムズとウィルモアは、スペースXのカプセル型宇宙船「クルードラゴン」で地球に帰り着いた際、船外に出るときに体を支えてもらわなくてはならなかった。

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