最新記事
トランプ関税

小売最大手ウォルマートの「関税値上げ」表明にトランプ「許さぬ」

Former CEO Issues Warning Over Walmart Raising Prices

2025年5月19日(月)17時25分
ジュリア・カーボナロ
ウォルマートのスーパーセンター

3月15日、ウォルマートのマクミロンCEOは高関税による「トランプの世界貿易戦争」で一部商品は値上げせざるをえないと語った(ニューヨーク州のスーパーセンター) Photo by Anthony Behar/Sipa USA)

<玩具は国産品で代替できず値上げしかない――トイザらス元CEOもトランプ関税によりアメリカの小売業が置かれた状況を分析>

ドナルド・トランプ大統領の高関税政策を受けて、アメリカでは小売り大手ウォルマートが5月15日、一部商品を値上げする方針を表明した。同日、玩具店チェーンのトイザらスのジェラルド・L・ストーチ元CEOもCNNの取材に対し、この動きに多くの小売業者が追随するだろうと述べた。

ウォルマートのダグラス・マクミロンCEOは15日、「(トランプ政権が輸入品に課した)関税の規模の大きさを受けて」、一部商品の価格を5月中に値上げすると明らかにした。


 

ウォルマートによれば、同社が全米に展開する4600店を超えるリアル店舗とネットストアでは、アメリカの全世帯の90%が買い物をしているという。多くのアメリカ人の生活に影響を与えるのは必至だ。

とりわけ問題になるのは、貿易戦争の最大の相手国である中国からの輸入に対する関税だ。トランプは145%の関税を課すとしていたが、交渉の末の5月12日、90日間は相互に追加関税を引き下げることで合意した。それでも中国製品への関税率は30%だ。

輸入品にこうした関税がかかれば、アメリカ人の生活費が上昇するのは避けられないと専門家は指摘する。関税措置についてトランプは、「多少の痛み」は伴うかも知れないが、長い目で見れば「それに見合った価値はある」と自己弁護してきた。

BAT
「より良い明日」の実現に向けて、スモークレスな世界の構築を共に
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

焦点:英の根強い物価高に中銀が懸念強めるか、8月に

ワールド

NZ、米社製ヘリとエアバス機を16億ドルで購入へ 

ビジネス

マクロスコープ:不動産売買規制、熱帯びる議論 東京

ワールド

米関税が成長の足かせ、インフレ見通し穏やか=インド
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自然に近い」と開発企業
  • 4
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 5
    夏の終わりに襲い掛かる「8月病」...心理学のプロが…
  • 6
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 7
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 10
    習近平「失脚説」は本当なのか?──「2つのテスト」で…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 4
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 9
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 10
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中