<紀元前イスラエルの銅生産現場で行われた調査。最新の研究が明らかにした意外なこととはー>
古代ソロモン王の銅生産は人類初の環境汚染──そんな通説を覆す新研究が発表された。当時の鉱山での銅生産は、労働者にも土壌にも被害を与えていなかった可能性がある。
「おそらく炉のすぐ近くの労働者だけが有毒ガスを吸って被害を受けており、少し離れた土壌は完全に安全だった」と、テルアビブ大学(イスラエル)の考古学者エレズ・ベンヨセフは言う。
研究チームはイスラエル南部のティムナ渓谷にある2つの銅生産現場を分析した。1つは紀元前10世紀頃のソロモン王の時代のもので、もう1つはその近くにある約1500年前のものだ。
数百の土壌サンプルを採取して化学分析したところ、ティムナ渓谷の銅鉱山周辺の汚染レベルが極めて低く、精錬炉があった狭い範囲にのみ汚染が集中していることを発見した。
Reference
Yagel, O., Greener, A., Ondricek, W., & Ben-Yosef, E. (2024). Pre-Roman copper industry had no polluting impact on the global environment. Scientific Reports, 14(1), 29675. https://doi.org/10.1038/s41598-024-80939-5