「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新技術でこんなに変わった「考古学」の現場風景
The Past Is Closer Now

近年、特に大きな危険にさらされている遺跡を洗い出し、未来の研究のためにデータベースに記録する取り組みが脚光を浴びている。古い紙の記録やデータベースを調べて、過去の研究者が見落としたものを見いだそうとする動きは既に始まっている。ここでもAIの進化により、調査のスピードが加速しつつある。
考古学は、ほかの分野の手法を活用してきた。リチャード3世の遺体発掘を主導したモリスに言わせれば、考古学者は「アイデアを盗み、組み合わせ、修正する」ことが得意だ。
考古学は過去を引き寄せる
例えば、フォトグラメトリー(写真測量法)は賭博産業の知見に大きく依存している。上空からレーザー照射を行うLiDAR(ライダー)技術は、環境科学で発展してきた手法だが、考古学者はこの技術を活用し、草木などに隠れた構造物や土地の形状を上空から明らかにしている。一方、考古学者がこれらの手法を実地で用いることにより、テクノロジーの発展に貢献している面もある。
考古学はあまり利益を生まない。エジプトの「王家の谷」のように大勢の観光客を集める遺跡は、ほんの例外でしかない(コルチェスターの戦車競技場を見ればよく分かる)。その結果、考古学者には短時間で効率的に調査を行うスキルが育まれる。
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