<マスクCEOが打ち出した「改革案」はデマや陰謀論の発信者にお墨付きを与えている>

かつてツイッターの青い「認証済みバッジ」は、そのアカウントの信頼性を示すためのものだった。だが最近では、偽情報を発信しているアカウントの偽りの信頼感を高める手段となっている。

偽情報を発信し多数のフォロワーを獲得しているアカウントが、ツイッター社(現X社)のオーナー兼CEOであるイーロン・マスクが新たに導入した認証システム「ツイッターブルー」を利用し、月額8ドルを払って認証バッジを取得している(日本では月額980~1380円)。

筆者らが所属するニューズガードは、ニュースサイトの信頼性を評価する機関だ。私たちは3月1~7日、偽情報を拡散している認証済みの25アカウント(フォロワー数は5万人以上)による投稿を分析した。するとその全てが、偽情報を拡散していると私たちが見なしたウェブサイトに関係するか、ニューズガードのデータベースに記録されたデマを拡散していたことが分かった。

さらにこれらの25アカウントは、偽情報や誤解を招く情報、根拠のない主張などを含むツイート(リツイートも含む)を計141回行っていた。私たちの分析では、これらのツイートは3月1~7日に2700万回近く閲覧され、「いいね」とリツイートが計76万件を超えていた。25のうち10アカウントは以前は凍結されていたが、マスクがツイッターを買収した後に復活したものだ。

偽情報の中で最も多かったのは、新型コロナウイルスに関するものだ。15のアカウントが計66件の投稿で、ワクチンは大量死やエイズ、脳卒中、死産などを引き起こしているという根拠のない主張を展開していた。例えば極右コメンテーターのスチュー・ピーターズは3月2日のツイートで、新型コロナのmRNAワクチンを接種した男性は「不妊症になり、ペニスが腐り落ちている」という偽情報を発信していた。

国内政治やロシアのウクライナ侵攻に関しても、問題のあるツイートが多かった。保守派コメンテーターのローガン・オハンドリーは3月2日のツイートで、ドナルド・トランプ前大統領は2020年の米大統領選を「盗まれた」と主張していた。

オハンドリーは、同じく保守派コメンテーターのディネシュ・デスーザが昨年制作したドキュメンタリー『2000人の運び屋』に言及した。だが「大統領の不正」を暴くこの作品については、誤解を招くデータの解釈が行われていると複数の専門家が指摘する。全米50州の選挙管理委員会の責任者も全て、20年の大統領選で不正はなかったと断言している。

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