「リサイクルの優等生」にもっと注目を...大和製罐が拓く、見過ごされてきた「金属の可能性」
原料製造から充填まで九州で完結している門司港レトロビール株式会社の「門司港ビール」(左)と、グリーン素材を使用したサントリーホールディングスの「ザ・プレミアム・モルツ(サステナブルアルミ)」
<金属は「環境にやさしい」イメージがない?──1939年創業。飲料・食品用の缶や容器を製造してきた大和製罐は「グリーン素材」の活用を通じて気候変動に挑む>
日本企業のたとえ小さな取り組みであっても、メディアが広く伝えていけば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。そのような発信の場をつくることをミッションに、ニューズウィーク日本版が立ち上げた「SDGsアワード」は今年、3年目を迎えました。
私たちは今年も、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。
環境問題が深刻化するなか、製品ライフサイクルにおける温室効果ガス排出削減があらゆる業界に求められている。とりわけ容器・包装業界においては、原材料の選定から製造、使用、回収、再資源化まで、包括的な視点での対応が欠かせない。
そんななか、「リサイクルの優等生」と呼ばれ、日本国内でのリサイクル率が90%を超えている容器がある。それはスチール缶やアルミ缶といった金属缶だ。スチール缶は主に自動車や建設材料などに、アルミ缶は自動車部品などにリサイクルされる。もちろん、新たな缶に生まれ変わるものも多い。
1939年の創業以来、飲料や食品用の金属缶やプラスチック容器の製造・販売を手がけてきた大和製罐株式会社では、こうしたスチール缶やアルミ缶の持つ可能性に改めて着目。SDGsの目標のひとつ「つかう責任 つくる責任」を意識して、CO₂排出量削減に取り組んでいる。
特に力を入れているのは「グリーンスチール」や「グリーンアルミ」という選択肢の提案だ。
「素材」の製造過程でもCO₂は排出される
スチール缶やアルミ缶は確かに資源循環率が高いが、再生材として新たな缶を製造する際には品質を確保するために一定量以上の「新しい鉄」や「新しいアルミ地金」が必要になる。
そこで大和製罐が着目したのが、原材料の製造段階で排出される温室効果ガスの量が少ない、「グリーンスチール」や「グリーンアルミ」と呼ばれる素材だった。
サプライチェーンにおける温室効果ガス排出量を捉える国際的な基準「スコープ(Scope)」においても、こうした、自社の製品製造過程で発生する温室効果ガスだけでなく、使用する「素材」の製造過程にも配慮する考え方は「スコープ3」として重視されている。
大和製罐では2024年1月に、サントリーホールディングス株式会社、株式会社神戸製鋼所、住商メタレックス株式会社、住友商事株式会社との協業により、「ザ・プレミアム・モルツ(サステナブルアルミ)」向けに、グリーンアルミ缶および蓋の供給を開始した。
また、グリーンスチール缶の製造ではサプライチェーンの効率化を通じた環境負荷軽減を徹底。日本製鉄株式会社の九州製鉄所八幡地区で製造された鋼材を、大和製罐の九州工場で製缶し、福岡県の門司港レトロビール株式会社に納品する、といった流れで、原料製造から商品製造・充填までを一貫して九州地方で行うことで、輸送に伴うCO₂排出量の削減を実現した。
同社のGX推進部長の赤地利幸氏は「弊社ではこれまでも、製造過程で使用する電力の再エネ化をはじめ省エネ対策を行ってきました」と語る。
「『グリーンスチール』や『グリーンアルミ』の知名度はまだ低いですが、一部の業界ではこうした『グリーン素材』への切り替えが進んでいます。今後は飲料・食品メーカーに対して環境にやさしい素材を提案することでCO₂削減を図っていきます」
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