最新記事
SDGsパートナー

「リサイクルの優等生」にもっと注目を...大和製罐が拓く、見過ごされてきた「金属の可能性」

2025年11月4日(火)13時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
門司港ビールとザ・プレミアム・モルツ(サステナブルアルミ)

原料製造から充填まで九州で完結している門司港レトロビール株式会社の「門司港ビール」(左)と、グリーン素材を使用したサントリーホールディングスの「ザ・プレミアム・モルツ(サステナブルアルミ)」

<金属は「環境にやさしい」イメージがない?──1939年創業。飲料・食品用の缶や容器を製造してきた大和製罐は「グリーン素材」の活用を通じて気候変動に挑む>

日本企業のたとえ小さな取り組みであっても、メディアが広く伝えていけば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。そのような発信の場をつくることをミッションに、ニューズウィーク日本版が立ち上げた「SDGsアワード」は今年、3年目を迎えました。

私たちは今年も、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇


環境問題が深刻化するなか、製品ライフサイクルにおける温室効果ガス排出削減があらゆる業界に求められている。とりわけ容器・包装業界においては、原材料の選定から製造、使用、回収、再資源化まで、包括的な視点での対応が欠かせない。

そんななか、「リサイクルの優等生」と呼ばれ、日本国内でのリサイクル率が90%を超えている容器がある。それはスチール缶やアルミ缶といった金属缶だ。スチール缶は主に自動車や建設材料などに、アルミ缶は自動車部品などにリサイクルされる。もちろん、新たな缶に生まれ変わるものも多い。

1939年の創業以来、飲料や食品用の金属缶やプラスチック容器の製造・販売を手がけてきた大和製罐株式会社では、こうしたスチール缶やアルミ缶の持つ可能性に改めて着目。SDGsの目標のひとつ「つかう責任 つくる責任」を意識して、CO₂排出量削減に取り組んでいる。

特に力を入れているのは「グリーンスチール」や「グリーンアルミ」という選択肢の提案だ。

「素材」の製造過程でもCO₂は排出される

スチール缶やアルミ缶は確かに資源循環率が高いが、再生材として新たな缶を製造する際には品質を確保するために一定量以上の「新しい鉄」や「新しいアルミ地金」が必要になる。

そこで大和製罐が着目したのが、原材料の製造段階で排出される温室効果ガスの量が少ない、「グリーンスチール」や「グリーンアルミ」と呼ばれる素材だった。

サプライチェーンにおける温室効果ガス排出量を捉える国際的な基準「スコープ(Scope)」においても、こうした、自社の製品製造過程で発生する温室効果ガスだけでなく、使用する「素材」の製造過程にも配慮する考え方は「スコープ3」として重視されている。

大和製罐では2024年1月に、サントリーホールディングス株式会社、株式会社神戸製鋼所、住商メタレックス株式会社、住友商事株式会社との協業により、「ザ・プレミアム・モルツ(サステナブルアルミ)」向けに、グリーンアルミ缶および蓋の供給を開始した。

また、グリーンスチール缶の製造ではサプライチェーンの効率化を通じた環境負荷軽減を徹底。日本製鉄株式会社の九州製鉄所八幡地区で製造された鋼材を、大和製罐の九州工場で製缶し、福岡県の門司港レトロビール株式会社に納品する、といった流れで、原料製造から商品製造・充填までを一貫して九州地方で行うことで、輸送に伴うCO₂排出量の削減を実現した。

同社のGX推進部長の赤地利幸氏は「弊社ではこれまでも、製造過程で使用する電力の再エネ化をはじめ省エネ対策を行ってきました」と語る。

「『グリーンスチール』や『グリーンアルミ』の知名度はまだ低いですが、一部の業界ではこうした『グリーン素材』への切り替えが進んでいます。今後は飲料・食品メーカーに対して環境にやさしい素材を提案することでCO₂削減を図っていきます」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

エネ価格「ECB基本シナリオに依然最も近い」=クロ

ワールド

再送トランプ氏、イラン高速攻撃艇「即座に排除」 封

ワールド

OPEC、4─6月の石油需要下方修正 中東情勢踏ま

ワールド

イスラエル、レバノン南部要衝で地上攻撃 直接会談控
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事の新シナリオ
特集:台湾有事の新シナリオ
2026年4月21日号(4/14発売)

地域紛争の「大前提」を変えた米・イラン戦争が台湾侵攻の展開に及ぼす影響をシミュレーション

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本は「イノベーションのやり方」を忘れた...ホンダ「EV撤退」が示す、日本が失った力の正体
  • 2
    「いい加減にして...」ケンダル・ジェンナーの「目のやり場に困る」姿にネット騒然
  • 3
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相場で人気の優良株から売られる落とし穴
  • 4
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    トランプがまた暴走?「イラン海上封鎖」の勝算
  • 7
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 8
    「違法レベル...」ゼンデイヤの「完全に透けて見える…
  • 9
    トランプ政権に逆風...「イラン戦争でインフレ再燃」…
  • 10
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 8
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中