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教室は26度以下であるべき...伝統素材でエアコンなしでも涼しく、温暖化時代の新学校建築

2025年7月20日(日)18時21分

ケレ氏と同じように、ケロッグ氏は優れた建築は社会の変化を促すと信じている。

学校があるラジャスタン州はインドで最も女性の識字率が低い州だが、学校が持つ記念碑的な規模は女子生徒の重要性を印象付ける効果を生んでいるとケロッグ氏は言う。

同氏は「地域社会での彼女たちの地位が向上した」とした上で、「女子生徒たちは誇りを持って通学しており、『カレッジ』と呼んでいる。私が訪れると、少年たちから『僕たちのためにも建てて』と頼まれる」と話した。

<学校の緑化>

気候変動により熱波の頻度が高まる中、温暖な国でも学校を冷やす方法を検討している。

英国当局は、新しい校舎は気温が4度上昇しても大丈夫なように設計されるべきだと指摘している。

大きな窓と高い天井を持つビクトリア朝時代に建設された学校は風通しが良く、熱を逃がさない設計になっている新しい学校よりも熱波対策に優れている。

しかし、教育は屋内だけで実施されているわけではない。運動場も子どもたちの成長にとって重要であり、多くの都市が遊び場の緑化を進めようと努めている。

都市部は農村部よりも4―6度も気温が高いが、木を植えることによって遮光と水蒸気の放出を可能にし、気温を下げることができる。

パリはアスファルトが敷かれた校庭全てを、2050年までに緑のオアシスに変えることを目指している。

もう1つの解決策はクールペイントだ。ギリシャのような国では長い間、建物の屋根を白く塗ってきた。科学者たちは現在、エアコンより優れた性能を発揮する可能性のあるハイテク塗料の開発に取り組んでいる。

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