教室は26度以下であるべき...伝統素材でエアコンなしでも涼しく、温暖化時代の新学校建築
ケレ氏はコンクリートや板ガラスは現代的に見えるかもしれないが、建物を暑くし、そのためエアコンが必要になると話す。
これは悪循環を生む。熱気を屋外に排出し、エネルギーを多く消費するエアコンは地球温暖化の一因となり、さらなるエアコンの需要をあおることになる。
代わりに、ケレ氏はパッシブ型の冷却機能を採用した。
ガンド小学校の教室は両端に開口部があり、風が通って換気できるようにしている。屋根は二重構造で、穴の開いた一段目の屋根の上に大きな屋根が被さり、空気の循環を促して建物の表面が日陰になるよう設計されている。
ケレ氏はケニアでは、シロアリ塚からヒントを得て大学のキャンパスを設計した。建物の低い位置にある開口部は新鮮な空気を吸い込み、テラコッタ色の塔は熱気を逃がす。
<社会変革>
ブルキナファソから約8000キロ離れたインド北西部のタール砂漠では、今年の気温が摂氏48度に達した。植物はまばらで、砂嵐がよく起こる。
ラジャスタン砂漠にそびえ立つ大きな楕円形の砂岩の建物、ラージクマリ・ラトナヴァティ女子校は米ニューヨークの建築家ダイアナ・ケロッグ氏が設計した。
この建物の向きと形は、学校の周囲に卓越風が吹くことを可能にし、内壁の石灰しっくいはさらなる冷却効果をもたらす。
インドの伝統的なジャリの屏風にヒントを得た格子の壁は、ベンチュリー効果と呼ばれる現象によって空気の流れを加速させる。また学校は太陽光発電を活用しており、十分な必要量の雨水も得られる。
校内の温度は屋外より10度も低く、生徒の高い出席率に貢献しているとケロッグ氏は胸を張る。