教室は26度以下であるべき...伝統素材でエアコンなしでも涼しく、温暖化時代の新学校建築
<粘土で建築>
地熱を利用した冷却技術からスマートガラスに至るまで、温度を調整する機能を持つシステムや製品が各所で開発されている。
他方でドイツの建築家のアンナ・ヘリンガー氏は、持続可能な建築にするには地元の材料を使うことが必要だと主張する。
バングラデシュからガーナまで各所での学校を設計してきたヘリンガー氏は、泥を使った建築で知られている。泥はローテクの素材だが、ハイテクの機能を発揮するという。
ヘリンガー氏は「農民に聞けば、泥でできた家は夏に涼しいと教えてくれる」と話し、粘土は湿度のバランスを取ると指摘する。湿度は、極端な暑さや寒さの中で体が受ける不快感をさらに悪化させる。
ヘリンガー氏は「建築家は往々にして専門的になりすぎるが、解決策が目の前にあることもある」と話す。タンザニアでは、村人たちがステータスのためコンクリートの家を建てても、夜は泥でできた小屋に寝に行くと教えられたという。
一般的な認識とは異なり、土壁が雨で溶けることはないとヘリンガー氏は言う。浸食を防ぐためのシンプルな技術があり、自然の結晶化のプロセスに伴い、時間が経つにつれて壁が強化されていくのだ。
へリンガー氏は「粘土は弱い素材という烙印を押されてきたが、あらゆる文化や気候の地域に建てられてから数百年がたつ泥製の建物がある」と指摘し、自身が20年前に建てた学校はほとんど補修が必要ないと明かした。