参院選、自公で過半数は難しい情勢と報道各社 政権運営より難しく

7月20日夜、第27回参議院選挙の投票が締め切られ、国内報道各社は自民・公明合わせた連立与党が過半数を維持するのは難しい情勢と伝えた。写真は国会議事堂。2021年5月、都内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 20日 ロイター] - 第27回参議院選挙が20日夜に投票が締め切られ、国内報道各社は自民・公明両党合わせた与党が過半数を維持するのは難しい情勢と伝えた。「少数与党」状態の衆院に続いて参院でも過半数割れとなれば、石破茂首相は一段と難しい政権運営を迫られ、責任問題に発展する可能性がある。野党の協力を得るため、財政支出が膨らんで国債の格付けに影響が出る可能性もある。
与党が非改選を含めた全体で過半数を維持するには50議席の獲得が必要だが、NHKは両党合わせて27-51議席、テレビ朝日は43議席、TBSは41議席などとしている。また、NHKは立憲民主が18─30、国民民主が14ー21、参政が10─22、維新が6─9議席を獲得すると予測している。
開票速報が次々と伝えられる中、フジテレビは石破茂首相が続投する意向であることが分かったと報じた。日米関税交渉が正念場を迎えていることなどを考慮し、現時点では辞任しないことを自身の周辺と協議したとしている。日本テレビは、石破首相が今夜進退を表明することはないと伝えた。
自民党の森山裕幹事長はテレビ東京の番組で、「社会保障と消費税との関係が国民のみなさんに十分にご理解いただけるところまで我々が説明を尽くしえなかったことが一つの原因ではないか。物価対応についても説明が足りなかったと反省している」と語った。また、NHKの番組で自身の進退について、党総裁の石破首相と相談する考えを示した。
自民党の小野寺五典政調会長はNHKの番組で、「少なくとも政策が受け入られなかった。政策の責任者として重く受け止める」と話した。
今回の参院選は248議席のうち、改選の124議席と東京選挙区の欠員1議席、合わせて125議席が争われた。選挙区選に350人、比例代表選に172人の合計522人が立候補した。
物価高対策が最大の争点となる中、与党は現金給付を目玉政策に掲げた。これに対し、野党の多くは減税で対処すべきと訴えてきた。
東京大学大学院総合文化研究科の内山融教授は、「野党の協力を得るために与党が妥協する、それでどんどん予算が膨張してくるという展開になることは確実に言えるだろう」とみる。「下手をしたら、日本国債の格下げの動きも出てくるかもしれない。日本経済に対する海外投資家の評価もかなり厳しくなるだろう」と話す。