マイクロソフト7─9月売上高、クラウド好調で予想超え 高額投資に不安の声も
米マイクロソフトが29日発表した第1・四半期(7─9月)決算は売上高が18%増の777億ドルで、市場予想を上回った。2015年7月、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Mike Segar)
Aditya Soni
[29日 ロイター] - 米マイクロソフトが29日発表した第1・四半期(7─9月)決算は売上高が18%増の777億ドルで、市場予想を上回った。クラウドコンピューティング事業の急成長が追い風となった。LSEGのまとめたアナリスト予想は753億3000万ドルだった。一方で、高額のAI(人工知能)投資への懸念も高まった。
主要AI(人工知能)部門のクラウドサービス「Azure(アジュール)」の売上高は40%増と、ビジブル・アルファがまとめた市場予想の約38.4%を上回った。
この結果は、マイクロソフトの大規模なAI投資による収益の拡大を浮き彫りにしている。第1・四半期のAI投資は349億ドルと過去最高を記録し、ビジブル・アルファの予想303億4000万ドルを上回った。
しかし、このブームがいつまで続くかについては、循環的な取引構造や高騰するバリュエーション、AIの生産性向上に関する証拠が限定的であることなどから、不安視する声もある。
第1・四半期の設備投資額は前年同期比で74%急増。その約半分はクラウド事業における処理能力のボトルネックを解消するためにエヌビディアの高価格チップなど短期資産に向けられたものだった。
マイクロソフトは第2・四半期のAzureの売上高が37%増加すると予想した。ビジブル・アルファがまとめた市場予想は36.4%増。全体の売上高は795億─806億ドルになる見通し。LSEGがまとめた市場予想平均は799億5000万ドルだった。
マイクロソフトのエイミー・フッド最高財務責任者(CFO)は電話会見で、少なくとも会計年度末まではAIの能力面での制約が続く見通しだと述べた。
フッド氏は2026年度の設備投資の伸びは25年度を上回ると述べた。マイクロソフトは前四半期には26年度の伸びが緩やかになると予測していた。
エドワード・ジョーンズのアナリスト、ローガン・パーク氏は、「Azureのガイダンスがほぼ予想通りだったことは、AIの恩恵を受ける企業への期待が非常に高かっただけに投資家を失望させる可能性が高い。設備投資の増加は、これほど大規模な資本に対して適切なリターンが生み出せるかという議論をさらに活発化させるだけだろう」と語った。
引け後の時間外取引で、マイクロソフトの株価は3.8%下落した。





