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究極のリサイクル? 死後も役立つ「堆肥葬」が広がる背景

Earth to Earth, Dust to Dust

2024年12月3日(火)13時20分
アンドリュー・スタントン

最期まで環境に優しく

「多くの人々が期待に胸を膨らませる一方、どうすればうまくいくか慎重に見極めようと、周囲の出方をうかがっている」と、カニングハムは語った。

賛成一色だったわけではない。反対派の筆頭格はカトリック教会だ。

昨年3月、米国カトリック司教協議会(USCCB)の協議委員会は堆肥葬に反対する覚書を発表。土葬が望ましいというのがカトリック教会の長年の見解だが、火葬についても遺灰が「神聖な場所に安置される」ことを条件に認めている。一方、堆肥葬は「遺体に十分な敬意を払っていない」と、同委員会は結論した。

それでもカニングハムによれば、堆肥葬への関心は増している。「ヒッピー的」な自然回帰を求める人たちばかりではなく、もっと環境に配慮すべきだと考える保守的なキリスト教徒なども関心を持っていると言う。

「大地の善き管理者となることも生きることの一部」だと、カニングハムは言う。「私の番が来たら、環境に配慮し、生分解可能で(防腐処理などで)大地を汚染する心配のない葬儀にしたい。わが社のビジネスは環境に優しい葬儀を軸にしており、会社は間違いなく成長している」

死後も肉体が大地の役に立つ。「誰もが最期に残したい、復活・再生・新たな命という究極のメッセージだ」

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