最新記事
葬儀

究極のリサイクル? 死後も役立つ「堆肥葬」が広がる背景

Earth to Earth, Dust to Dust

2024年12月3日(火)13時20分
アンドリュー・スタントン

newsweekjp20241203034913-b2f6e913f36c23ddd7fc0b7ab14918eac9e278d3.jpg

遺体に模した植物で棺に納めた様子を実演 RECOMPOSE

リコンポーズのヤーボローによれば、合法化はアメリカでの堆肥葬実用化への重要なステップだが、法案成立後もいくつものステップが必要だと言う。業界のリーダーたちは政府、保健当局、葬儀場・墓地の役員らと協力して規則や規制を堆肥葬に合うように変えなければならない。

このプロセスを約1年で終えられる州もあるが、カリフォルニア州では企業が堆肥葬サービスの提供を開始できるのは、法律が発効する27年以降だとヤーボローは言う。

ニューヨーク州では22年に州議会が堆肥葬を合法化して以降、クライアントからの関心が増していると、ニューヨーク市のエコ葬儀会社フィッティング・トリビュート・フューネラル・サービシズの創業者で葬儀ディレクターのエイミー・カニングハムは語る。

ニューヨークは昔から葬儀関連の政策に「慎重で保守的」だが、合法化法案の成立は「利用者がよりエコな方法にいかに積極的かの証し」だと言う。合法化は少々意外で、大きな政争がなかったのは推進派のほうが反対派より組織化されていたからだとカニングハムは指摘する。

ニューヨーク州では、堆肥葬合法化後も実用化には至っていない。サービスを提供する施設がまだ西海岸にしかないためだ。業界関係者は施設の立地やムラサキウマゴヤシなど必要な材料の入手方法を含め、実用化の方法を模索中だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=ダウ最高値更新、FRB議長の利下げ示

ワールド

米国防総省の情報局トップ解任、理由は不明=関係筋

ワールド

トランプ氏、輸入家具に対する「大規模な」関税調査実

ワールド

トランプ関税、10年間で財政赤字4兆ドル削減の可能
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「このクマ、絶対爆笑してる」水槽の前に立つ女の子、ホッキョクグマが取った「まさかの行動」にSNS大爆笑
  • 3
    3本足の「親友」を優しく見守る姿が泣ける!ラブラドール2匹の深い絆
  • 4
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 5
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 8
    海上ヴィラで撮影中、スマホが夜の海に落下...女性が…
  • 9
    抽象的で理解の難しい『2001年宇宙の旅』が世に残り…
  • 10
    【クイズ】格差を示す「ジニ係数」が世界で最も高い…
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 7
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 8
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 9
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 10
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中