最新記事
SDGsパートナー

放置竹林から建材へ──竹が拓く新しい建築の可能性...日建ハウジングシステムの革新

2024年11月25日(月)13時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

地方創生と脱炭素社会を実現する鍵

lid研究所I³デザイン室 室⾧の古山明義氏は、プロジェクトに対する思いを次のように語る。

「竹を活用することは、建築的なメリットだけにとどまりません。竹は成長が早く、わずか3~5年で利用できるようになりますし、地下茎を張り巡らせているため、伐採しても植林不要でまた生えてきます。炭素を貯蔵する植物ですから、使えば使うほど、脱炭素社会を実現できます」

「そんな竹の活用が進めば、放置竹林は『地域資源』へと生まれ変わります。地域に産業が生まれ、雇用を創出できるようになるのです。建築の世界で多くの竹を利用することにより、脱炭素社会を実現し、森林を守り、地方創生に繋げていくことを目指しています」

newsweekjp20241122065502-d13f896a6501b8ba84d4be6e1e90417898b37411.jpg

性能評価書を取得したモデルプロジェクトの外観パース

newsweekjp20241122065536-9f184e8f6c80e186806cdc3a0a5f5445768c9cbb.jpg

性能評価書を取得したモデルプロジェクトの内観パース

竹集成材構造プロジェクトの発端は、全国で最大の竹林面積を持つ鹿児島県の薩摩川内市からの相談だった。プロジェクトを通じて、竹を使った新素材「セルロースナノファイバー」の建築応用も誕生している。

持続可能な社会の実現に向け、竹は理想的な素材とされるが、課題も残る。例えば、サプライチェーンの未整備により伐採・加工・流通のコストが高い点が課題だ。

こうした障害を乗り越え、竹という日本の伝統素材が世界で評価される日を目指して、日建ハウジングシステムの挑戦は続く。

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国最高裁、李在明氏の無罪判決破棄 大統領選出馬資

ワールド

イスラエルがシリア攻撃、少数派保護理由に 首都近郊

ワールド

学生が米テキサス大学と州知事を提訴、ガザ抗議デモ巡

ワールド

豪住宅価格、4月は過去最高 関税リスクで販売は減少
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中