最新記事
SDGsパートナー

環境配慮型資材の利用、地域へのSDGs啓蒙 研文社が体現する「情報発信業」としての印刷

2023年12月25日(月)15時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

印刷業を「情報発信業」のような存在と考えて

2022年には業界の健全な発展と社会貢献を目的とした「日本サステナブル印刷協会」に加盟。協会員は、環境配慮型プリントを認定するマークを表示することができる。

「当社は印刷業を営んでいますが、その前提として『情報発信業』のような存在だと考えています」と、同社マーケティング課の川口学氏は言う。

「印刷は情報発信・共有ツールとして、人類の発展に大きく寄与してきました。仮に紙媒体による情報発信が電子媒体になり替わったとしても、SDGsを達成するために『情報発信業』としての印刷会社が果たすべき責務は大きいと考えています」

「すこやかプロジェクト」もこの考えの下で実施されている取り組みの一つだ。withコロナ時代には新しい生活様式の手引きを1冊にまとめた「すこやかノート」を兵庫県尼崎市等に寄贈していた。このノートの用紙には、ユニセフへの寄付金を含む「ワクチンペーパー」が使用されており、寄贈するたびに用紙代の一部が「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)」に寄付される仕組みだ。

利用者への配慮も徹底されており、表紙には抗ウイルス印刷を使用。また「UCDA認証見やすいデザイン」も取得し、年配者をはじめ、誰にでも見やすく使いやすいノートとなっている。

また同社は、尼崎市のSDGs達成に向けた取り組みを行う企業として「あまがさきSDGsパートナー」に登録されており、地元の中学生を工場見学に招いたり、SDGsの取り組みを紹介する授業を開催したりしている。

kenbunsha3.jpg

尼崎市内の中学生に向けて授業を行う様子

これらの取り組みが評価され、日印産連主催の第21回印刷産業環境優良工場表彰(2023年)で、尼崎工場が最高位である「経済産業大臣賞」を受賞した。

持続可能性に配慮した森林管理が世界で進みつつある一方で、今なお紙の原料を供給するためのプランテーションによって自然破壊が続く地域もあり、そのことが「紙」のイメージを悪化させている。

だからこそ、環境配慮型資材を活用し、環境に負荷をかけずにプリントできると示す研文社の取り組みには意義があり、SDGs目標12「つくる責任、つかう責任」に寄与していると言える。環境配慮型プリントの認知が広がることで、業界に向けられる視線も今よりポジティブなものになると期待できるだろう。

【関連記事】
「環境配慮型プリント」で印刷文化を未来につなぐ研文社の使命...エネルギー使用量を作業単位で明確化

ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本の小説36
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月16日/23日号(9月9日発売)は「世界が尊敬する日本の小説36」特集。優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


食と健康
消費者も販売員も健康に...「安全で美味しい」冷凍食品を届け続けて半世紀、その歩みと「オンリーワンの強み」
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

再送-米、ロ産石油輸入巡り対中関税課さず 欧州の行

ワールド

米中、TikTok巡り枠組み合意 首脳が19日の電

ワールド

イスラエルのガザ市攻撃「居住できなくする目的」、国

ワールド

米英、100億ドル超の経済協定発表へ トランプ氏訪
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く締まった体幹は「横」で決まる【レッグレイズ編】
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 6
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 7
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中